仮病病院

ヤシテ ミカエル

第1話プロローグ

須藤茜は体育の時間が憂鬱だった。


そんな時、担任の後藤秀行から来週はマラソン大会だからと小学校三年一組の教室で話をした。


須藤茜は運動が苦手なので、できればマラソン大会なんてやりたくないといつも思っていた。


そんな時、友人の佐藤雪からマラソン大会に出なくてもいい方法があると聞いた須藤茜だったが、そんな方法があるものだろうか?と信じられない気持ちだった。


ところが佐藤雪は学校の近くに開業した「仮病病院」に行ってみよう。


そこに行くと仮病で入院させてくれると言うのだ。


佐藤雪も須藤茜が知らない間にその病院に入院したというのだが?


須藤茜は佐藤雪は学校を一日も休んだ日はなかったのだ。


これは~いったいどういうことなのか?


須藤茜はこの時まだ仮病病院の本当の怖さがわからなかった。


小学生でも無料で入院する事ができる……。

その代わりに大人になってから引き換えにしなければならないものがあるということを……。


まだ小学生の須藤茜には何もわからなかった。

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