第100話 数字

読書百遍、意、自ずから通ずどくしょひゃっぺん、い、おのずからつうず』 


 どんなに難しい本でも、繰り返し何度も読めば、自然に意味がわかってくるということわざ。難しい本を読むと、寝てしまう南山之寿。一向に理解することが出来ない、本の内容。そもそも難しい本は、一回でお腹一杯。


百芸は一芸の精しきに如かずひゃくげいはいちげいのくわしきにしかず


 役に立つのは、何でも出来る人より、一つの事に精通している人。チョコミントに特化した南山之寿。役に立つかは、疑問の一言。


 本日は、数字対決。『ねがいましては〜』の掛け声から始まる、そろばん対決。カードを同時に出して数字の大きさを競う、トランプ対決。テストの点数を比べて、互いの傷を舐め合う低得点自慢対決。いわゆる、赤点を取った南山之寿の闘い。


 街に溢れる数字。数字に騙される南山之寿。二軒目の居酒屋。頼む、刺身の盛り合わせ。気持ち、デカ盛りの傾向。一人前の量が、普通の店の二人前。既に腹はパンパン、膨満感。


客と白鷺は立ったが見事きゃくとしらさぎはたったがみごと


 客は長居をせず早く帰るほうが良いとはいうが、何時までも減らない刺身。酒も入らず、何故二軒目に来たのか分からない南山之寿。身を切るような厳しい寒さの夜の話。身につまされる話だ、と言われない様にと願う南山之寿。刺身のツマ……、いや、忘れて欲しい。


 ここまで綴って、ふと気がつく南山之寿。


『百話目』


 記念すべき、百話目。こんな話で良かったのかと、大いに反省。足りなかった、一つの工夫。『百』という数字。『一』足りなければ、『白』。百話目をグダグダの内容で綴ってしまったことに、頭が真っ白になる南山之寿。


『嘘八百』


 色々と言いつつも、計画通りの内容。何を信じるかは、読者様次第。


 しかし百話も続くとは、と驚く南山之寿。


 お読み頂いている皆様。厚く御礼申し上げます。

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