第10話
「実はねえ。」
カーブに差しかかってブレークを踏んだ。
「あの、」と口に出したところで、彼女が一瞬身を硬くした。
「この車のね、ナンバーなんだけど4499って、死死苦苦なんだよね」
身がほぐれた。
彼女は不満そうに黙っていた。
64歳の恋 @zunda1958
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