エレクトロニックマジック

@konbain3113

第1話 プロローグ

 時は2400年、人類の化学技術が大きく発展し、世界では多くの化学者たちが研究に勤しんでいた。しかし丁度その時突如として現れた地球に迫ってくる別惑星の衝突を阻止するために世界中の化学者たちが奮闘していた。


「早く!完成した兵器を国に送れ!急がなければ我々の命はないぞ!」


「わかりました!!」


アメリカのある一人の研究者が遂に完成させた化学兵器。


その名も『ポイズンロケット1号』


 そのロケットを地球最後の砦として放った結果、迫りくる惑星の方向をズラすことに成功し、どの国も被害を受けずに海に衝突した。


 その偉業にアメリカの研究者はいろんな人に称賛の声をもらった。

「世界を救った英雄だ」などと。


 しかしその惑星は地球から離れることはなく、永遠にその惑星とくっつきながら地球で過ごすことになった。




 しかし本当の悲劇はここから始まった。




 くっついた惑星を放っておくわけにもいかないので、まずは生態系などの調査をすることになった。調査をするのに選ばれたのは宇宙飛行士だ。


 その惑星を遠目から見てみると、地球よりも一回り小さく、しかし緑や水が見えるほどにある。ほとんど地球と同じ状態といってもいい。


「どうやら酸素はあるようだ重力も感じる....みんなここからは宇宙服を脱いでいくぞ」


その光景に驚きつつ宇宙飛行士たちリーダーに続いて歩みを進めていった。


「すいません!リーダー、ここに鳥の卵に似たものが落ちております!」


宇宙飛行士が気づいたことをリーダーに報告する。


「ああ。今からそちらへ向かう」


リーダーは卵を手に取りすこし考え込む。

すると、


「ギャアアア!!」


という映画で聞く猛獣の鳴き声が遠くの方から聞こえてきた。


「なんだ?!」


慌てふためく宇宙飛行士たち。


「あれは...鳥です!しかも巨大だ!」


「まずいな...一応ボンノー博士から頂いた武器はあるが...イチロー!拠点までの距離は?」


「大体200メートルくらいです!!」


それでは間に合わないな..


「よし!戦いに備えろ!武器の扱い方は教えてもらったな?気を引き締めろ!」


「「「はい!!!」」」


全員が一斉に鳥に向けて銃を構える。


「キエァァアア!!」


鳥がわが子を取られたと勘違いして襲い掛かる。


「撃ててぇ!!」


バババババ!!


 銃声が鳴りやんだころには鳥は跡形もなく姿を消していた。その代わりといわんばかりに色のついた石が鳥のいた場所に落ちていた。


「この銃の威力やばいですね」


「とりあえず戻ろう。我々の力ではここの調査は無理だ。地球に戻って別の人たちに頼もう。ああそれと、イチロー!その石!持ち帰るから取ってこい!」


「了解です!」



「というわけです」


地球に戻った宇宙飛行士が惑星での体験をお偉いさんに報告した。


「わかった。お勤めご苦労だった。休んでいなさい」


 宇宙飛行士の為の施設、『スペースステーション社』の社長である後藤直樹はそう告げて椅子を回転させ窓の外を見る。


「もしかすると、想像もつかない悪夢があの惑星によって引き起るかもしれないな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る