地球最後の日に何をしたいかと聞いたら○○すると宣言したアイツが童貞のまま死んだ。

地球最後の日が来る前に

地球最後の日に何をしたいかと聞いたら、セックスをすると宣言したアイツが童貞のまま死んだ。

どうしてそんなことを聞いたのか忘れたし、アイツが叫んでいたAV女優の名前も覚えてない。

きっとラブホもタダで入れるよな、しかも野外でヤリまくりじゃね？と唾を飛ばしながら笑ってたアイツと、骨になってるコレが同じもんだとは到底思えない。

俺は、味方のいない、試合終了の合図が聞こえないドッヂボールを毎日繰り返していた。

狭い、冷たい、臭いコートの中で、汚れたボールを何度も何度もぶつけられている間に、痛みなんてとっくに忘れていた。

3年の飯田先輩は、放課後になると男子トイレの個室で俺の頭を無理やり押さえ込んで、チンコをしゃぶらせる。

ヨダレと白濁まみれの俺がえづくと、他の先輩たちが顔を歪ませて笑う。

そんな動画が俺のクラスのグループラインに流れて、どんどん拡散された。

職員室に呼び出されて、この動画はお前だよな、辛かったよなと同情されたが、 俺には、目の前にいる担任の言葉がボヤけてた。

それよりも、アイツが飯田先輩を殴った、先輩の彼女も殴った、1週間停学になった、と騒ぐ生徒指導部の先生たちを見て、馬鹿だなと笑った。

停学中のアイツの家に行ったら、エロ動画かと思ったら違ったからムカついた、時間停止ものじゃないと抜けないんだよな、とベッドの上でシコっていた。

アイツは、元外野のポジションから、飯田先輩にボールを当てた。鼻の骨が折れるくらいの強さで。

俺の近くにはいなかった。俺以外のやつには、俺の味方だってことは分からなかった。

でも、コートの外側から守ってくれた、俺だけの味方だった。

今、アイツに言えることがあるなら、こち亀の最終回が載ってるジャンプを持って卒業アルバムの写真を撮るな。それがお前の遺影だぞ。

もう1つだけ言いたい。俺は地球最後の日じゃなくても、セックスがしたかった。お前と。お前とじゃなきゃ嫌だ。

地球最後の日に、俺は処女のまま死ぬ。