5話 「今回、頑張ったと思うので♡☆レビュー、お願いします。」

【ムタルゴ王国 第86代国王 エルトシア・ヴュー・バレウス・ムタルゴ】


 そうだな。

 私が初めてオークをみたのは先代の国王…父が幼い私を戦場にまで連れていき、遠くからみさせられたのが初めてだったな。

 確か、そのときは魔王軍と勇者のパーティーが戦っていたな。


 え? 『昔、オークは魔王側だったのか』って?

 いや違うよ。

 魔王軍と勇者パーティーの連合軍VSオーク軍の戦だよ。

 オークのあまりの強さにみてて、ちびっちゃったよ。

 チビなだけにね(笑)


 …………

 今のとこ、笑うとこだよ?

 処刑するよ?

 最高国家権力使って首と胴体、切り離すよ?


 いや、そんな大ウケ…笑いすぎだよ!

 え、で?

 オークと会うことが決まったときの心境?

 怖かったよ。

 一気に三体が目の前にいるんだから。

 オーク無力化装置があっても怖いもん。

 てか、あれちゃんと機能してんの?

 この前の戦、うち負けたんでしょ?

 いや、あれは将軍が勝手にしたことで……

「あの戦いで相当な数が戦死したから頭を下げろ」って。


 なに、お前。

 国王の私に謝罪しろって言ってんの?

 はい。

 お前、アウトー。

 斬首ね。

 早く、この馬鹿つまみ出せよ!

 もうだめだよ。

 今更、泣いて謝っても許さないから。

 むりむりむりむりむりむりむり


 なに?

「私の娘は町一番の美人だから娘をやる代わりに許してください」って?

 お前、最低な父親だな!

 いくら、自分が死にたくないからって娘を差し出して逃れるって最低だな!




 ………………で? いくつよ。

 え?

 だから、娘はいくつかって聞いてんの!

 19歳……

 ふーん。

 来月が誕生日なんだ……

 あじゃあ、まだ十代なんだ。

 ふーん……

 なるほどね……

 写真とかあんの?

 あんじゃん。

 早くみせろよ。


 ………………

 おい、そこの執事。

 お前だよ!

 メガネの!

 そう、お前だよ。

 早く来いって!


 この写真の子が誕生日迎えるまでに連れてこい。

 なんだよ!

 早くいけって!

 そうだよ、その子だよ!

 たっくもう……


 そこの記者許してやるから。

 はやく、続けろ。

 おい。

 泣くなって。

 大丈夫だって。

 娘さんには不自由させないから。


 息子も貰ってくれって?

 当たり前だ!!!!!



 えーと、オークが入ってきたときのことだっけ?

 ああそうそう。

 部屋に入ってきた瞬間にね。

 息できなくなっちゃってさ。

 ほんとに臭すぎて、息できなかったもん。

 褐色の奴なんて汗なのかわかんないけどずぶ濡れだったよ。

 びちょびちょでさ。

 まあ、これでも王様だからさ。

 我慢したよ。

 なんとかね。


 真ん中にいた褐色のオークをみた瞬間に「あっ、こいつ異世界転生者だ!」ってわかってさ。

 なんでわかったかって?

 そりゃお前、私も異世界転生者だからだよ。

 あれ?

 言ってなかったけ?

 そうだよ。

 あの勇者とおんなじの。

 ま、勇者は厳密には転移ってやつなんだけどね。


 私にもすごいスキルがあるのかだって?

 ないよ。

 いや、まじで。

 何にもないよ。

 なんでないんだって。

 そりゃ、女神に頼んでないからね。


 先ずね、あっちの世界で死んだらね、あり得ないくらい乳がデカい女神さまがいてね。

 それがさ、喋るのが遅くて遅くて。

 語尾をさ、全部伸ばすの。

 ~だよ、~。

 もうほんと嫌でさ。

 そしたら、なに。

 なんでも願いを叶えてくれるって言うからさ。

 誰にも怒られなくて、なにしても許されて、使いきれないほどの金持ちにしてくれって言ったらこの国の王族として生まれたってわけ。


 赤ん坊になって思ったよ。

 あってるんだけど違くね?って。

 けどさ、前世で下着泥棒してさ。

 それが108歳のババアのものってわかった瞬間にショック死した割にはいいかなと思ってな。

 第二の人生、国民のために捧げてもバチは当たらんだろ。

 政を為すは人にありってね。

 全部、部下に丸投げよ。


 話を戻すけどそのオークが転生者なのかどうか確信したかったからさ。

 あっちの世界での究極の二択をぶつけたのね。

 そしたら、あいつなんて言ったと思う?


「巨乳のデ〇ラ派」だってさ!

 二択だって言ってんだろ!

 なんで、DS版だしてくるかな!

 信じらんねえよ!

 あの豚!

 どう考えたってフ〇ーラだろ!

 なんか俺の返事で察したのか、「王様はフ〇ーラ派っぽいですね。」って言ってきやがってよ。

 まあ、選んだのはビ〇ンカだけど………………


 いや!

 まて!

 きいて!

 きいて!

 あのね、究極の二択だから本心はどっちも嫁にしたいわけよ。

 けど、フ〇ーラを選ぶとね、ビ〇ンカは誰とも結婚しないの。

 でもね、ビ〇ンカを選ぶとフ〇ーラは幼馴染と結婚するのね。

 それが、なんか興奮するんだよね。

 人妻になるのがいいわけよ。


 なに、「人妻いいですよね」って。

 お前、分かってんじゃん!

 中々見どころがあるね。


 ぶっちゃけ、あの豚の回答に腹が立っちゃってさ。

 話なんか一切聞いてなかったよ。

 あ、でも、なんだっけな。

 なんか、オーク族とムタルゴで連合がどうのこうのって言ってたかな。

 不可侵があーだこーだ。

 適当にオッケーしちゃったよ。


 それよりもさ、けん玉のスキルまた上がったからさ。

 そっち記事にしてよ!

 ね!

 いくよ。

 今から大技するから。

 いくよ!

 はっ!

 銀河系一周!

 からの

 宇宙遊泳!


 ねえ!

 今見てた?

 じゃ、次は自分で編み出したやつやるから

 ちゃんとみててよ!

 ビックバ………………

           日刊ムタルゴ新聞 オークとの会合 インタビュー記事より  

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