第26話 戦力増強
セージ率いる7人の魔法師とその家族達は、アンブロシアに到着した。少し見ないうちにかなり成長しているのが分かる。成長したとはいえ、アンブロシアでメルティアの下に就くには、余りにも非力であった。
「皆んなよく来たね。大丈夫だった?」
セージは、照れながら話しだす。
「メル姉に早く会いたかったんだ。頑張ってきたよ。これからは、僕らと一緒に居てくれるんだろう?」
メルティアは、優しく微笑みかける。
「君たち次第だよ。強制はしませんが、私としては期待してるんですよ。」
「任せてくれメル姉の為なら何でもするよ。」
「頼もしいね。でもご家族の方は、宜しいのですか?」
「もう、この子達は、大人です。この子達に従うのみです。」
「では今後君達は、私直属の魔法師です。鍛えますので覚悟して下さい。」
早速7人のステータスを確認して、足りない魔力容量を補う為の固有魔法を放つ。
7人全員が通常の魔法師の約2倍以上の魔力許容量になる様に強化した。魔法享受スキルを使って足りない高位魔法を憶えさせていく。
結果的に、
セージ(8歳)は、炎と光、空間魔法を伝授。
トーカ(7歳)には土と風、闇魔法。
エラン(6歳)には水と氷、雷魔法。
マリス(7歳)は風と雷、空間魔法。
クロエ(7歳)は光と闇、時間操作魔法。
アロア(7歳)は、土と水、氷、聖魔法。
レイア(6歳)は、聖と炎、雷魔法。を伝授してスキルとして無詠唱と重複詠唱を可能にした。さらに空間魔法を持つ2人には、剣術も指導の上、身体強化魔法も使用可能にした。あとは、実戦訓練だけである。
後日、玉座の間は賑わっていた。
玉座の左には、剣王セルレイン・ルメイル将軍・魔剣士ティーラ。
右には、聖将軍カルセド・聖魔道師長アルフィン、大賢者シェスター、戦聖女メルティア、以下メルティア魔法師団がならび、かつての錚々たる人材が並び立つ。
「おい、セリス!お前一体何を考えているのだ?」
「えっ、って、お父様の周りが寂しかったから、揃えて見ました。別に戦争なんてしませんよ。此方からはね。」
「今日は、エールドベルグの使者が賠償金を持ってくる日ではないか。」
「あぁ、後はシーベルがシェスターと並べば最高だったのになぁ。」
「お前は何考えてるんだ?」
「全盛期のアンブロシア・・・」
「全盛期以上だな・・・すでに。」
「だって、たかが普通の振興軍事国家に馬鹿にされたく無い。お父様は、もっと偉くないとね。」
「しかも、セリス自体が玉座の上位7位になっているのは、あまりに不自然ではないか?」
「たのしみー。」
謝罪は、王太子アルグレン本人がおとずれた。玉座に並ぶ錚々たる将軍クラスの部下達を目の当たりにして、冷や汗をかいていた。
「もはや、貴国に歯向かう気はありません。むしろ、今後できましたら同盟を結んでいただきたく思っております。賠償金も白金貨15000に上乗せさせていただきました。どうぞお納め下さいませ。」
教皇アンゼルは、何も言わない。
メルティアが話し出す。
「将軍クラスが二人も動けば、貴方達はそく敗走ですから、憶えておく事ね。舐めてたでしょう、いい気味だわ!」
アルグレンは、ボコボコになじられて帰路に着いた。
「流石メルぅ、カッコ良かったよ。」
アルフィンは、上機嫌だ。
実際にこのメンツで、世界をとりにいけるほどの人材が戻ってきているのだ。
ある月の出ている夜の事、シェスターが教皇に呼び出しを受けて居ない日の事、メルティアの部屋をノックする音がした。
「メル・・・入っても良いかな?」
「えっ、もしかしてシーベル?」
急いで、ドアを開けるとそこには、金色の短い巻き毛、明るく透き通った緑色の瞳、整ったワイルドで男らしい容姿は、シェスターとは違った魅力を放っている。
服はグレーに黒のストライプを左サイドにあしらった魔法着を纏っている。似合っているのだ。
メルティアは少しだけ、頬を赤らめて微笑む。
「シーベル・・・久しぶりだね。アンブロシアを追われて以来だね。元気だった?あっ」
メルティアは、突然にシーベルに抱きしめられる。
「やっぱり生きてたんだね。俺の力が必要なんだって?シェスのやつが嫌々呼びに来たよ。」
シーベルは、薄桃色のシルク地の部屋着を着たメルティアを抱きしめ離さない。
暖かくて、壊れそうなほど柔らかくて、ふわりと甘くて優しい香りがする。
「ずるいな・・・なんでシェスなんだ?なんで俺じゃ無かったんだろう・・・悔しいなぁ」
シーベルは悔しそうに、メルティアの青い瞳を見つめながら、銀白の癖のない柔らかな髪の感触を確かめる。
「どうしたの?折角久しぶりに会えたのに悔しいなんて・・・」
「だって、俺のいない間にシェスに取られたからさ・・・」
「あんっ」
不意にメルティアの果実のような唇をうばう。
「上書きしていかないといけないなぁ」
逆らえず少しだけ押し退けて、上目遣いで睨む。
「折角会えたのに、酷いよ・・・ベルぅ」
シーベルに取って何も取り繕う必要がなくなっているのだ。
「メルが逃げ出した日、シーライオスに逃したあと俺はその場に残って追手を殲滅してたんだけど、やっぱり君を攫って逃げるべきだった。俺もメルの事が好きだったんだ。」
メルティアは吸い込まれそうな青い瞳で、じっとシーベルを見つめる。
「そうだったんだ、ごめんなさい気付いてあげられなくて・・・ありがとう。そんな事言ってくれたのシェスと二人目だよ。」
シーベルは、呆れた様に話す。
「メルが鈍いだけで、凄い人気あったの知らないのか・・・まぁ仕方ないなぁ、俺の力が欲しいって?」
「うん、また私を助けてよ。」
「なら、メルは俺に何をくれる?」
「じゃあ、今だけ・・・好きって言ってくれてありがとう。」
メルは、優しくシーベルの頭を抱えるとしっとりと唇を重ねた。長いキスだった。
少しだけつまらなそうにシーベルは、答える。
「足りないけど仕方ない。明日教皇に会いに行くよ、話しておいてくれ。」
名残惜しそうに、メルティアを見つめると一言呟く。
「シェスと話しつけるしか無いな。」
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