第34話

理由をつけて引き延ばして数週間が経


つ。


そろそろ連絡が来るだろうと思ってい


たら、やはり来た。見ると、これから


進める予定をびっしり書き込んでき


た。


「これだけのことを一ヶ月もない中で


しなければならない。早くして。」


「ふーん。仕方ないか。」


私は重い腰をあげた。


条件はとっくに決まっていた。


両親が来た時に話したから。


でも他にもぶん取れる所がないかまだ


考えている。


絶対にあるはずだから。


「奴だけにいい思いはさせない。」


そう思いながら


「離婚するのはいいよ。でも条件考え


てるから決まったら連絡する。」


とだけ言った。


「別に転勤だけなんだから、そこまで


急ぐ必要はないのに。何か他に理由で


もあるのか?」


次に会った時に聞いてみよう。


この時の私は、離婚すると決めたけれ


ども、どうせすぐに離婚を阻止できる


と思っていた。


しかしそれは不可能だった。

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