昼とはサヨナラ、夜とは。

@koonaka2002

彼女は勇気あるものだった

飼い犬はいい水を飲んで飯を食べて散歩をするだけ、それに猫よりも適当なのがいい人の言うことを聞くだけでいいので適当に生きていくことすら自分で決めなくていい。


なにか意思が根底にあろうとも、イージーで生きさせられているという保険のきいた甘ったるさがいい。


そんな感じで、僕は表裏一体な甘ったるい厳しさをもとめて先月から通い始めた高校に向かっていた。


「博美、来週の数学のテストの勉強しているか?」


同級生 が話しかけてきた、


「してないな、」


「まあしているよと言うことは、してないよと言うことよりとても難しいからな」


「ならなぜそんなことを聞くの?」


「唯の仲間探しだよだって俺は本当にやってないからな、つまりお前がやっていようとやって無かろうとお前と俺は仲間になれる。コミュニケーションは共通点を見つけることで始まるんだってどっかの某が言っていたよ。」


「正しいのかもしんないけどなんか味気ないな」


「つまらないからいいんだよ、本質的に面白いことはたいてい難しいからな」


「答えが分かりきっているからこそ質問したってことか」


「ああそう思ってかまわないよ」


そのあと何気ない会話をしながら校門まで来た、


そこにはあまりにも昼とはサヨナラした見た目の女の子が歩いていた。


所謂金髪で白すぎる肌日があれば見えなくなってしまいそうなほどの白のピアス眠そうな目


でもなぜか長めのスカートに黒い長そでとベストそして長めのスカートをかっちりと着込んでいた。


その姿はあまりに太陽を嫌っていたが。


プールサイドで迷った子供が親を間違えるみたいに彼女を条件反射で見てしまった。


「彼女は確か3組の白座さんだよねー、ほんと白いねーそれしか言うことないねー」


「そうだね、、」


「あんまり見ない方がいいよ彼女全然噂は白くないんだもん」


「ああ、でもたいてい見たくないと思う方が見ちゃうもんだよ。」 


「見たくない理由でもあるの?w」


「いや別にそんなんじゃないけどね、」愛想のない愛想笑いをした。


そのあと、いつも通り授業を受けて登板だった掃除を行い担任が丁度いなかったので三組の顧問に掃除の終了の確認を取って、帰ろうかとしていた。


顧問は数学教師であり尚且つテストの作成を担当していた。


彼は時代には珍しく手と紙でテストを作るやり方を採用しているようだった。


三組に向かうと、掃除の挨拶を済ませ僕以外の班員が帰ったのを見ると、徐にバッグからタバコとライターを取り出し喫煙をしに向かった。


三組は掃除が先に終わっているようだったので教室の中はがらんとしており、差し込む夕日と机と空の椅子と僕以外はフラットだった。


唯一いつもの教室と違う点を言うなら、教員用の机の上には、テストがあった。


作りかけではあったがそのままテストとして出しても問題ないくらいには出来上がったテストがあった。


少し視線を向けてしまうよくないと意識すればするほどそのものに吸い込まれてしまう、


「それはそんなに刺激的?」


声がした。


聞き覚えがなかった。


脳みそがのろけた


何も言葉を返せずに視線だけ向けると白座がいた。あまりに白いので顔ではなく白で彼女を認識した。


「みてみてもいいかな?」


「うん?」


見てはいけないという言葉を出すための脳みその回路の速度が彼女の淀みない動きについていけなかった。


彼女は回覧板を確認するくらいに何気なく目を通し始めた


「これは私にとっても只の紙と同じではないけれど、行かないお店のクーポン券みたいな感じがするな。君にとっては、只の紙とはやっぱり違うもの?どんな感じがする?、、、、」


小児科医みたいな口調だ。


「やっぱり僕にとっては大きなものだよ、」


少しの声の上ずりを抑えながら答えた


「そう曖昧な表現だね、私はできることはやったほうがいいと思う。」


紙を僕の方に差し出してきた、


僕が何も動けずにいると、


「君は勉強できる時間に勉強をせずにテストで悪い点を取ってしまうそして後悔するそれを悪だと思う?」


「ああ」


「ではずるできるときにずるしないのは悪だと思う?」


「うん」


「そう、じゃあなぜしないの?」


「タイミングかな?もしも僕にとって重要な時になれば考えるよ」


「そう、じゃああなたは長年行きたかった大学に補欠合格しました。ほかの合格者を一人殺しても絶対にバレない状況が発生したとします、あなたは殺せる?」


「いや無理だろうなずると殺人じゃ度合いが違いすぎる」


「じゃあ君が絶対にバレないであろうカンニング方法を思いついたとします、そしたらする?」


「ああそれだったらするよ」


「それをした後本当は受かる筈だった子が受験を落ちたショックで自殺をしてしまうのそれでもする?」


言葉が出てこない


「自殺をするってわかってたらしない、」


「要はするってことだ。未来を読めるんだったら、そんなことせずとも受験に合格できるはずだもの」


「なにが言いたいの?」


「めちゃくちゃ偽善的だねこんな大人にはなりたくねーなって」わかり易すぎるあおりだ、




そんな見え透いたものに反抗するみたいに、見ぬかれた自分を振り払うみたく、差し向けた物を彼女から取り上げスマホ取り出し写真を撮った。


シャッターボタンを押す指が震えた。そのテストをすばやく机にたたきつけた。そのあと我を取り戻しテストをもとあった場所に元の状態に丁寧に直した。


「こういうところなんだろうね」思わず口からはみ出た。


僕たちは教室を出た。


日の沈みかけた校門まで来ると少々の沈黙の後、


「ねー今から夜に行こうよ、町で」


「名前も訪ねずよく誘えるね、」


「名前?聞いてなかったっけ」


「うん」


「まあいいや聞く機会あったらきくね」


「失礼だね、君」


「いや名前をしらないことより名前を忘れることの方が失礼でしょ」


「ああ、なるほどね」


「でどうすんの?」


「行く」


そこから特に大きな会話はなく夜の街に向かった。


別に夜の街に行くのは初めてではないし、やっぱり変わらず僕の知っている町だった。


けれど夜に行こうと思って街についたことはなかったので、


よくよく見てみると昼の街よりも意思があるように感じた。


犬と猫みたいなものだろう、日中は犬で夜は猫


昼の方がきっちりとしているし、会社に向かうサラリーマンや学校に通う学生営業を始める飲食店などシステムとして町全体が成り立っている気がする。


かえって夜の方は明日のことなんぞ何も考えていないような酔っ払いや子供には見せられないエッチなお店とか、自分たちで一つ一つ決めている感じがする。


そんな意思の海で迷はないように僕は彼女についていった。


連れていかれたところは路地裏だった。


それ以外の説明が要らないくらい一般的な路地裏だ。


そこには彼女と似た雰囲気の人がいた。


思わず息をのんだ、緊張感が体を襲った。


だけれど、その中の一人の赤渕メガネで金髪の男二十代前半くらいの男が意外と誠実に聞いてきた?


「いらっしゃい白座の友達か」


「うん、いや友達というわけではないけれど、」普段の僕ならば絶対に訂正はしなかったはずだけれど、


「そうじゃあ彼氏的な」違うとわかりながら聞いてきていることはわかった。


「違うよ、学校で勉強のやり方を教わっていたんだ、だからそれのお礼に付き添うことにしたんだ」


嘘はない


「そうか、意外だな白座お前頭良かったんだ。」


「うん結構賢いと思う。」


「(* ̄- ̄)ふ~んまあいいや」


「俺は世良君の名は」


「博美よろしく」


「よろしく、隣の女は悪い奴だけれども悪い奴じゃないよ。」


一瞬の沈黙


「よし本題に入ろうかほんとうにいいんだね」


特に何か答えることもなく白座は三百万を渡したそうすると黒い塊が出てきた衝撃的だった。金額の絶妙な大きさが余計に夢ではないこと示していて怖かった。


これから何が行われるのかを薄々感じながら目を背けた、体はそこに向けたまま耳を底に向けたまま、、、


そのやり取りに余計な会話はなされず、割と端的に終わった。


その後彼女はその受け取った何かを見せることもなく、僕が立ち尽くしていると、背中を押すみたいに風が吹いた彼女の長いスカートが風邪で少し捲れた黒い塊がそこにはあった。


その黒い衝撃のせいで僕は一睡もとることはできなかった。


ニュースを見ていると、白座さんの遺体が自宅にて発見された。


彼女は偽善者ではなかった。




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