小説が読めない小説家の話

華創使梨

プロローグ

北野遥は天才小説家である。

彼女は16歳で新人賞を受賞し、新作を出す度にTwitterでトレンド入りし、本屋大賞の殿堂入りしている。まさに時代に属し、時代に流されない天才小説家である。そんな天才には、なぜ小説家になったのか分からない欠点があった。

彼女は、小説が読めなかった。

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