用語紹介 其の2 ※前章のネタバレ有り。

 神代三剣じんだいさんけん:500年前に夭折ようせつした天才科学者が作り上げた、他とは一線を画す超兵器。"ムラクモ"は実体型の刀の形状をしており、"フツノミタマ"もまた実体型の刀と伝わっているが主星に安置されている為に正確な情報は不明。最後の一振りである"ハバキリ"も実体型の刀の形状で主星に安置されていたが偽物と判明、本物は極秘裏の内に地球に移送されていた。その形状は小さな球形をしており、ソコから更に青い粒子を放出している。


 何から何までが解析不能であり、誰一人として"これが何から作られているか"、"どこから桁違いのエネルギーを供給しているか"、"どうやって製造したのか"など一切分からないまま運用している危険な兵器。


 一振りが半分ほどの力を解放すれば連合全戦力を壊滅しうるなど出鱈目な性能に関する噂話に事欠かなかったが、ツクヨミと共に地球に逃がされた"ハバキリ"の能力を見た誰もがその噂が真実であると理解した。



 八尺瓊勾玉やさかにのまがたま:単に防壁と略されるか、あるいは防壁発生装置と呼称される旗艦アマテラス最大の発明。通常展開時はただ単に斥力を発生させるだけだが、その性能を最大限にまで引き出せば装備者とそれ以外を断絶する強力な防壁=結界を展開する。魔道と科学の混合物にして最高傑作。現在、コレを製造できるのは旗艦アマテラス直轄の特殊兵装開発研究所だけ。



 ハイドリ/アケドリ:正式名称はそれぞれ灰の鳥居、朱の鳥居。ハイドリは短距離転移用の門で、アケドリは超長距離転移専用の門。名前の由来は門を開いた先にある神道と呼ばれる空間を維持する為の物質が、薄ければ灰色に、濃いほどに朱く輝く様から名付けられた。


 転移を要約すると、門を開いた先の高次元に神道と名付けられた通り道を生成、そこを通る事で空間を超えた跳躍を行う。但し接続(開門)と神道の維持には途轍もないエネルギーが必要となる為、一連の工程は主星の転移管理部門が一括管理を行う。旗艦アマテラスは開門出来るが、門を維持する為に必要な特別な粒子"ヒヒイロカネ"が無いので自力転移不可能。


 転移機能を旗艦アマテラス単独にしなかったのは、惑星と言う移動不可能な拠点ではなく移動可能な拠点である為。主星ならば攻撃しに行けるが、移動する艦ならば簡単に逃げられてしまうから。また、この開門から転移に至るまでを単独で行う特機が存在する。



 黒点観測部門:旗艦アマテラス内の一部門。宇宙を彷徨うマガツヒの動向を常に監視、人類が接触することが無いよう警告警報を発する業務を担う。宇宙を旅するのならば避けて通れないマガツヒとの遭遇を阻止するという、ある意味では人類存続において最も重要な部門。



 特殊兵装開発研究所:通称"特兵研"。その名前の如く武器開発を専門で行う研究施設なのだが、外貨獲得を目的にナノマシンから家電まで比較的手広く着手している。研究所は第一研究所から第四研究所まで分かれており、それぞれ役目が異なる。



 ヤタガラス:旗艦アマテラス内の治安維持を担う実力組織。基本的な組織構造は日本の警察とほぼ同じだが、部署によっては専用兵装が支給されるなど組織としての戦闘能力は一般的な警察と比較すると相当に高い。



 神魔戦役:20XX年12月22日に起きた戦いの呼称。青白戦役とも呼ばれる。青い絶望と白い希望が乱舞する戦場において、悪魔の如き兵器に対抗する為に希望の粒子と合一した英雄の激しい戦闘は人類の記憶に焼き付いた。その他にもこの戦いに至る経緯の至る場所に神や悪魔と言ったワードが含まれていた事から、この日に起きた戦いを誰ともなくそう呼び始めた。尚、神魔戦役以後の地球は世界経済を支えた清雅とその神の消失の煽りにより経済が極めて不安定な状況へと陥った。またそれは旗艦アマテラスも同様。



 守護者:主星に住まう"姫"を守護する剣であり盾。その組織運営は他の実力組織とは異なっており、直轄の上司である姫を除いた全てが守護者であり、年齢性別功績の有無や勤続年数による立場の区別は一切ない。しかし肥大化する組織を前に止むを得ない形で総代、総代補佐という役職が暫定で作られた。スサノヲと対になる連合の最高戦力。基本的に所持する戦闘技術はスサノヲと同じだが、防御兵装を持たない代わりの専用兵装として後述する黒雷を駆る。



 黒雷:守護者が駆る専用人型兵装。守護者の正装と同じく黒を基調としたカラーリングに、前身となった旗艦アマテラス製の機体名"雷"を組み合わせたのが名前の由来。全長は凡そ20メートルほど。基本的な武装は実体型の剣と銃に加え、広範囲殲滅兵器などの兵器を転移装備する事も使用できる。


 主たる特徴は操縦席。ソコに展開される堅牢な防御性能を誇る防壁と転移脱出装置による安全確実な脱出方法は、人型起動兵器において最も重要なパーツである"操縦者"の損耗を防ぐ。脳波や視線などから思考を読み取り機体駆動に直接反映させる直感的な操縦方法が採用されている事、また生身での戦闘経験や技術を操縦にフィードバック出来るよう人型が採用された。

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