用語紹介

 カグツチ:主に恒星から放出されるほか、人間の脳からもごく微量に検出される未知の粒子。人の意志と接触する事でその性質を爆発的に引き上げる他、この状態となった大量のカグツチを本体に叩きこむ事でしか後述するマガツヒを消滅させることが出来ない。


 またこの粒子は戦闘にも転用できる他、様々な属性のエネルギーに転換する魔導や魔術といった戦闘技術の土台となっているなど、戦いにおいて極めて重要な位置づけとなる。カグツチが特定空間内に大量に溜まる=濃度が一定以上になると発光現象が起き、これが確認されるとマガツヒは活動を開始、発光現象の元へと向かう。別名、希望の粒子。



 マガツヒ:その正体が一切不明の化け物。絶望の顕現。以下は黒点観測部門が所持するマガツヒの生態に関する資料。

 物理的な現象一切を無視するという特性を持つ。黒点ブラックホールに巣くい、そのエネルギーを奪いながら自身の複製体を作りつつ、別次元への門を作るエネルギーをため込んでいると予測される。


 現在確認されている種別は2つ。巣を作るPZM-1 Bombyx、極めて好戦的なPZM-2 Eciton。だが、神はその2種の上位個体の存在を予言している。その目的は全知的生命体に存在する意志の抹消だけかと思われているが、実際はそれとは明らかに異なる行動も確認されており、神はその行動を、"マガツヒは上位個体の指示でこの銀河を含む宇宙中を彷徨いながら何かを探している"と予測した。


 20XX年12月22日に地球で発生した超高濃度のカグツチ流入現象以後、巣の中で共食いによる強化を始めた他、何かを探すという行動も見られなくなった。また、これに伴う形で襲撃条件にも変化が見られた。過去は濃度レベル10以上から襲撃を始めたが、20XX年12月22日以後より濃度40を超えても襲撃の様子を見せない。現在は共食い以外の行動を見せておらず、その謎めいた生態は余計に不気味さを増している。



 旗艦アマテラス:全長約18000km、全高約8000kmの超巨大航宙艦。小型惑星の直径と同程度のサイズの中には生存圏が確立されており、完全自給自足を可能とする生産システムが総数30億以上の人口を支える。かつて銀河の何処かに存在し、マガツヒによって滅ぼされた"アマツミカボシ"なる文明の末裔たる人類"アマツ"と、その人類に僅かな遺伝子操作を施した"ミカボシ"で構成される。


 名前の元となったのは旗艦の管理運営一切を取り仕切る超々高性能演算システム。規格外の艦のエネルギー源は、ごく僅かの物質から桁違いのエネルギーを生み出す"深緑の炎"と名付けられたストレンジレット。文明文化の一部が日本と非常に酷似している。



 主星:元の名はオリンピア。物語開始から遡る事2000年前に旗艦アマテラスとの邂逅を果たした同惑星は、その後の成された同盟を経て名前をフタゴミカボシへと変えた。"姫"と呼ばれる全てが謎の存在を頂点とした君主制による国家運営が2000年近く続いている。



 カガセオ連合:旗艦アマテラスを含む、それぞれに主権を維持した12の同盟惑星と13の準同盟惑星による惑星連合。と、言いつつも運営は実質的に旗艦アマテラスの神"アマテラスオオカミ"と、主星フタゴミカボシの神"姫"の二柱が行っており、合議制による運営は実質的に無きに等しかった。


 内部事情はアマテラスオオカミ派、"姫"派、中立派がそれぞれ睨みを利かせている状態であり、おおよそ正常とは言い難いものの二柱の神の元で安定した運営を行っていた。地球での戦いを経てアマテラスオオカミが神の座を退いた為に現在の運営は"姫"の単独運営となった。



 スサノヲ:旗艦アマテラスが長い長い研鑽けんさんの末にカグツチを取り込み己の力とする戦闘技術を開発し、またソレを補佐する武器防具の開発も行った。この成果を十全に振るうのがスサノヲであり、目下連合最強と名高い戦闘集団でもあった。が、それは過去の栄光。現在は未開惑星に強引に攻め込んだ挙句に敗北しかけた不名誉から誰一人として最強という呼称を付けることは無い。


 入隊条件は一般公募からの試験を突破するか、神ないし現職スサノヲからの推薦。しかしどちらも厳しいハードルがある為に合格者不在は当たり前の難関である。尚、ルミナは幼少時の事故により両親と生身の肉体を失った経緯などをかんがみて特例という形でスサノヲへの入隊を許可されたのだが、本来それはあり得ない話。何故、"彼女だけ"特例が許可されたのか。何故、神は特例を作ってまで許可を出したのか。ソコには何らかの思惑があったと思われるが、しかしかつての神であり彼女の上司でもあったアマテラスオオカミは黙して語らない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る