第59話大賢者と超賢者

今俺の前には6人の白フードの男女がいる。

彼彼女らは皆賢者で、並々ならぬオーラを纏っていた。

そしてそのオーラは一つの塊となり6人の賢者全員を覆った。

そのオーラはまるで巨大な賢者の様に見えた。


「さあ、偽りの賢者ゼロよ。消えて貰おう」


巨大な賢者の拳が俺を襲う。

俺はその拳に対し真っ向からパンチした。

互いの拳が衝突した時、あまりの衝撃にリングが震えた。

巨大な賢者も俺も未だ健在である。


「この超賢者マグナスの拳を正面から受けきるとは、さすがは大賢者」


どうやらあのオーラの巨人はマグナスと言うらしい。


「あんたらに褒められても嬉しくないね」


「そういう挑発的な態度が頂けませんなぁ。賢者たるもの謙虚でなければ」


オーラの巨人マグナスが構えると無数の魔方陣が展開される。

一つ一つが上級魔術を放って俺に襲い掛かって来る。

バリアを張っても良かったが、消耗が激しくなりそうなので全力で避けた。

俺の隣にはアリスがいる。

彼女のMPももうそろそろ限界だ。

自身に掛かった身体強化の魔術ならアリスのMPが減る事は無い。

俺はとにかく逃げ続けた。


「ほっほっほっほ、これが自称大賢者の戦い方なのですかな」


先頭の老齢の賢者が俺を嘲笑う。

何が賢者たるもの謙虚じゃなきゃならないだよ…がっつり攻撃してきてるじゃんか。

苦しむ俺達を見て楽しむとか性格も最悪。

俺はなんとかして一矢報い様と考えていた。




「逃げてばかりでは勝負になりませんぞ!ゼロ殿!」


超賢者マグナスの攻撃は止むことなく続く。

俺とアリスは奴等の攻撃で出来た瓦礫の山に身を隠していた。


「アリスを置いてジャック君は逃げて…」


意識が朦朧とした中アリスが俺に言う。


「そ、そんな事できるわけないだろ!」


「でもこのままじゃ…」


「はーい、お邪魔だったかしら?旦那様」


「遅れてすまん、婿殿」


「二人は連れて来たわよゼロ君」


そこにはシルヴィア会長と若干傷を負ったメアと令がいた。


「どうしたその傷、誰にやられた!」


「そんな事はどうでもいいわよ旦那様。それよりも私達全員タンクになるわ」


何かふに落ちないが仕方がない。

俺はメアと令とアリス、そしてシルヴィア会長と手を繋ぐ。

さあ反撃の開始だ。

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