第29話大賢者と異世界迷宮-2階、3階-

俺達は迷宮の2階へ足を進めた。

そこにはサキュバスの情報通りオーク達がいた。

見渡す限りのオークの群れ、全員各個撃破していくのも大変だと感じた俺は、

メアとアリスの手を握る。

御門先輩は万一の戦闘要員としての温存だ。


「ロックオン!そしてメガフレア!」


ロックオンによりこの階層の敵全員に狙いを定め、

そして炎魔法で一掃する、完璧な作戦だった。

しかし誤算もあった。

俺の魔術に耐えきった猛者がいたのだ。

その名も勇者オーク、オーク達のリーダー的存在だ。


「キサマラ強イ。俺ト勝負シロ」


どうやら一騎打ちをお望みの様子。

俺は再び魔術の準備をするが、その前に御門先輩が前に出る。


「婿殿は休んでいろ。ここは私がやる」


御門先輩が俺の前に出る。

そして刀を抜いた。

魔力を刀に込め一閃、勇者オークは倒れた。


「楽勝でしたね先輩」


「いや、あ奴は婿殿の魔術で相当ダメージを受けていた筈。全快だったら互角かそれ以上の勝負になったろうよ」


「そうですか…」


俺は勇者オークの勇気に敬意を表し黙祷した。

さあ次は第三階層だ。


―3階


次の3階は迷宮の名に相応しい迷路だった。

しかし俺は必勝法を知っていたので余裕だった。


「いいか、こういうのは左手を壁にやって進んでいけば―」


ガコン!


俺の所だけ床が勢いよく開くと、俺は下に落ちた。

3Dダンジョンかよ、なんてこったい!

しかしいい眺めだな~

俺が上を見るとメア達が映っている。

どうやらこちらからしか見えないマジックミラーの様だ。

今彼女達はスカート、後はご想像にお任せしよう。


俺は一通り鑑賞会を楽しむと大声で上に声を掛けた。


「ロープを投げるからそこから引っ張り上げてくれ!」


俺は荷物からロープを出すと落ちた穴に向けて放り投げた。

しばらくするとするするとロープが落ちて来る。

俺はロープを掴むと上へと戻った。


「今度こそ迷路の必勝法を使って攻略してやる」


俺はアリスの手を掴むとその辺の壁に攻撃魔術を叩きこんだ。

さすがの頑丈そうな壁も、最強賢者の最強魔術には耐えきれず崩れ去った。

俺は落とし穴に注意しながらもこれを繰り返し迷路の外に出た。

後は外周を回って迷路の出口に出るだけだ。


お、早速発見!

俺は4階への階段を見つけると皆で上がった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る