第24話大賢者と爆裂ポーション使い

今日も今日とて俺はチートな人材を探していた。

狙うはチートな回復役。

俺は殺し屋セシルに情報収集を頼み、目当ての情報を入手していた。

後で頭をなでてやらないとな。


―とある辺境の村


どうやらここに目当ての人材がいるらしい。

なんとチートなポーション使いらしい。

もしかしたら俺が長年探していたMP回復ポーションも作れるかもしれない。

あの創造の錬金術師のマリーにさえ作れなかった代物だが、はてさて。


ドカーン!!!


「な、なんだぁ!?」


村の方で激しい爆発が起こっている。

俺の横にいつのまにかいた村長らしき爺さんが語り掛けて来る。


「あの小娘が、まーたやりおったか」


「あのー、今の爆発はなんですか?」


「お前さんこの村の人間じゃないのう。あれはなポーション使いのフィールの仕業じゃよ」


「お、丁度その娘を探してたんですよ。連れて行っても?」


「おお!?あなたは救世主か!」


村長が俺の手を握り涙を流している。

どれだけやばい娘なんだ…

俺は警戒しつつ村に入ると、フィールのアトリエ工房に向かった。


「今度こそ回復ポーションが…」


「君がフィールだね?」


「あっぶなーい!」


突然飛んできたポーションの瓶。

俺はすかさずそれを避ける。

ポーションの瓶が落ち、割れた場所で爆発が起こる。


ドカーン!!!


「あっちゃー、また失敗か~ドンマイ私!」


「その、新しい爆弾を作る前に俺の話を聞いてくれるかな」


「爆弾ですって!?失礼な!私は回復ポーションを作ってるのよ!」


どうやら意図的に爆裂ポーションを作ってる訳ではなく、

これしか作れないらしい。

回復ポーションを求めてた俺には予想外だ。

しかしこの爆裂ポーションも十分な使い道がある。

俺はなんとかしてこの人材を手に入れたくなった。

あんのじょう好感度を弄るのもいいがたまには正攻法でいこう。

俺の自称スキル口先の魔術師でなんとかしてみよう。

(要はただの言いくるめ)


「君が爆裂ポーションしか作れないのはこの工房の施設のせいだよ」


「え?そうなんですか?」


「ウチには錬金術師もいるから工房もちゃんとしたのがある。よかったらウチにこないか?」


「いやーそうじゃないかと思ってたんですよー!よし、じゃあ契約しますか」


「じゃあここにサインを・・・」


ちょろいな、と思った矢先である。

アトリエのドアを勢いよく開け入って来る者がいた。


「貴様かー!我が領地で爆発騒ぎを起こしてる輩はー!!」


「あ、リビングメイルさん、どうも」


「どうもじゃない!もう我慢ならん!たたっ切ってやる!」


「まあまあここは穏便にすましましょうよ」


俺はアトリエ中のポーションを集めると大量のソレを相手に投げた。

そして俺はフィールの手を掴むと転移の呪文を唱えた。

村はずれに転移した俺らは村の方を見ると大爆発が起き、アトリエは吹っ飛んでいた。

リビングメイルさん?ご愁傷様です…


「ああ、私のアトリエが…」


「大丈夫、ウチの錬金術師が使ってる最新鋭の工房を使っていいからさ」


「ほ、本当か…!じゃあよ、よろしく!」


彼女が錬金術師マリーと一緒の場所で仕事をする事になって、

ひと悶着あったのはまた別の話である。




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