第16話大賢者と建国記念日

今日はめでたい建国記念日だ。

軍師マリア、錬金術師マリー、傭兵ミーナ、内政屋シオンと

今迄仲間になってくれたメンバーが揃っている。

彼女達は建国組といった所か。


一方でこちらも学園サイドのハーレムメンバー達が勢ぞろいしている。

転校生メアに御門先輩、幼馴染のアリスにシルヴィア生徒会長にエルフの魔法剣士リーゼと

そうそうたるメンバーだ。

「学園も裏からこっそり支援しちゃうからねー」とイリス学園長のお墨付き。


そして一番重要なのが大賢者たる俺。

魔科学国家バビロニアの王にして大賢者、そしてハーレムの王(予定)だ。


「じゃあメンバーが揃った所で国民にあいさつにいくぞ」


皆「え?」という顔をしている。

まあ内緒にしておいたから当然だけども。

俺達の学園のある魔法国家は魔法を使えない者達に対し酷い不遇を敷いている。

そんな現状に我慢ならない魔力が弱いor無い人や獣人、亜人達は少なくない。

彼ら彼女らがまとまればかなりの戦力になるはずだ。

それに俺も同じ立場だった事もあり、彼女彼らを助けたかったという想いもある。


城代わりである温泉宿のベランダに顔を出すと、

数千は下らない民志望の人々が性別人種に関わらず集まっていた。

長々と演説するのは俺の性に合わない。

だから簡潔に伝えた。


「みんなここに自由に住んでいいぞ。但し厄介者は―」


「生きてここを出られると思うなよ?」


ミーナが大剣を地面に突き刺しドスの聞いた声で念押しした。


「以上、演説終わり!」



「居住区はこちらでーす」


アリスが住民達を先導する。


「商業地区はこちらだ。妙な真似はするなよ」


御門先輩が風紀委員達を率いて先導していく。

商業地区は一番荒れやすい所だ。

警備は徹底しておきたい。


「娯楽地区はこちらでーす」

こちらはメアが先導している。

無料で遊べる娯楽地区だ。

基本的にこの国の物は無料で利用できる。

大体の物はマリーの”創造の錬金術師”のスキルでなんとかなるからな。

それ以上の物を望むのならば金が必要となる…という仕組みだ。


「護衛隊に入りたい奴はここにこい!腕っぷしが強い奴は大歓迎だ!」


護衛隊を先導するのはミーナとリーゼだ。

住民には荒くれ者も多い。

彼らのストレス発散と役目を提供してやれば、

ある程度の揉め事はコントロールできるだろう。


「まずは法の整備をすべきだね」


「さすが内政マニアさん、もう法の草案ができてるのね」


シオンとシルヴィア会長が内政会議をしている。

知能レベルが高い者同士話が合うのだろう。


「自動警備兵はこことここ、ここに配備すれば大丈夫だろう」


「了解よ、軍師さん」


軍師マリアと錬金術師マリーが警備の相談をしている。

この二人に任せておけば安心だ。

じゃあ最後の仕事は俺の仕事だな。


「メア!御門先輩!アリス!会長!、みんな来てくれ!」


呼ばれた皆々が不思議そうな顔をして俺の前に集まる。

そして皆に手を繋ぐように命じた。


「転移!」



転移先は俺達の学園のある魔法国家、ユースティアの国王の目の前だった。



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