第6話 初めてのオートキャンプ②

 暑い日差しの中、設営だったり火おこしだったりで汗だくの体をシャワーで流すことに。


 石鹸を忘れていました。


 いや、正確には途中で気がついたのですがどうにかなると思ったのです。

 シャワールームに置いてあるかもしれない。

 そんな淡い期待を込めてシャワールームへ……。


 結論から言うと、シャワールームにはありませんでした。


 シャワールームは銭湯のように脱衣場はフルオープンで、置いてあるスリッパに履き替えてシャワーブースへと入りシャワーを浴びる形でした。

 脱衣場がフルオープンなのに、シャワーブースにはカーテンで仕切りがあるんだな〜なんてのんきに考えていましたが、使ってみて納得。

 シャワーの勢いがとんでもなく強い!軽い気持ちで顔に当てたら息ができなくて溺れるかと思いました。


 シャワーを浴びる前に受付と隣接していた売店もチェックしましたが、石鹸はなかったのです。

 あと、「アイス200円」というポップはあるのにアイスはありませんでした……。

 ロックアイスはいくつかありました。私達は持ってきていたお肉があまりの暑さで傷んでしまうかもしれないと思い、ロックアイスを1袋購入。


 保冷剤をたんまり持ってきていたんですけどね……暑さでどんどん溶けていくんですよ……。


 そんなこんなで、シャワーで簡単に汗を流してロックアイスでお肉の鮮度を気にしつつも、こちらも早々に溶け始めていたので、溶けてしまった水をカップに移し冷たい水で暑い体を冷やしたりしました。


 夜の9時前にロックアイスを買い足して、お肉の傷み対策と私達の暑さ軽減をしよう!

 と、提案されたので2人でいそいそと再び売店へ。


 そうしましたら、それなりに在庫があったはずのロックアイスが1つもないではありませんか……!

 結構みんな売店利用してるのね……。

 これで、今夜は気合と根性で乗り切ることが決定しました。あと15%まで充電した蓄電池でサーキュレーターがどこまで持ってくれるか。


 お目当てのロックアイスは買えませんでしたが、最初に売店を覗いたときにはなかったものが置いてありました。


 石鹸。


 なぜ?もうシャワー浴びちゃったよ……。


 しかし、相方は石鹸に飛びつきました。

 やっぱり水だけよりも石鹸で洗ったほうがスッキリしますからね。


 ロックアイスはゲットできませんでしたが、石鹸をゲットした私達は再びシャワールームへと向かうのでした……。


 2回目のシャワーは時間が遅かったせいか石鹸がフローラルな香りだったせいか、めちゃくちゃ羽虫がついてきて落ちつきませんでした。




 自然豊かなキャンプ場は夜になると昼間とはまた違う一面を見せてくれました。



 アマガエルと蜂。そしてリアル泥棒猫。

 暗くなるとともにどこからか現れた白くて耳あたりが茶色?の子猫ちゃん(くらいの大きさでした)

 いろんなキャンパー達のところへ行き、食べ物を探していました。


 私達のところはすでに車の中へしまっていたので、ちょこっと来たと思ったら即お隣さんへ行ってしまいました。

 猫好きとしては少し交流したかったのですが、相方は猫アレルギーなので良かったような残念なような。


 アマガエルと蜂に関しては我が家にもいるので、特に珍しくもなかったです。

 アマガエルを相方が踏みそうになった時慌てたくらいでしょうか……。


 あと、星空がきれいでした!

 我が家も田舎なので、星は見えるのですが地元よりも星は多かったように感じました。

 天の川ってまだ見られるのでしょうか?

 それっぽいのがあって良い天体観測になりました。



 2度目のシャワーのあとは、冷たい水と残っていたくんたまでまったりトークタイムを……

 取ることも出来ず、拭いても拭いても出てくる汗と戦いながらサーキュレーターを動かし貴重な快適ライフを堪能しました。



 このサーキュレーター、1時間動かすのに蓄電池の5%の電力を使うらしく2時間後には止まってしまいました。

 ピタっとサーキュレーターが止まったとき、テント内の空気も時も止まりました。

 あの時の空気はなんて表現すればいいんでしょうね〜……。

 空気が凍る。場が固まる。

 これから、長い夜が始まる……そんなプロローグがつきそうな、はたまた、私達の生命線がこのときついに力尽きたのだった、とエピローグに向かうべきか。



 私としてはプロローグ気分だったので今夜はどうなるんだと思っていましたが、日中の作業が意外と効いていたみたいでいつの間にか眠ってしまいました。


 3時間くらい。


 空気ベッドに寝ていたのですが、汗っかきな私は案の定かなり寝汗をかきました。

 3時間も寝たら、背中が汗でびっちょびちょ。

 おかげで寝たいけど体勢を変えて背中の汗を蒸発させたい、でも眠くて体が動かない……なんて一人で1時間か2時間近くうだうだしてました。


 結局、我慢できずなんとか体勢を変えた時に一人でバタバタして、その音で相方を起こしてしまいました。


 そこからは日の出まで少し話したり、水分補給したり。



 空がしらみ始めてきてこれでまた太陽光で蓄電池の充電ができるなぁなんて考えていたら、さっきまで一緒に夜明けを待っていた相方から安らかな寝息が聞こえてきました。

 まさかのこのタイミングで眠られてしまい、人々が活動し始めるまでの約30分を空を眺めて過ごしたのでした。



 みんなが動き出してからは私達もいそいそと動き始めました。

 キャンプといえば、ということで朝ごはんの前にコーヒーを淹れて、鳥の声を聞きながら優雅に景色を眺めました。

 ホーホケキョって聞こえたんですが、この時期でもウグイスっているのかしら…。


 それから朝ごはんの準備に取り掛かります。

 この朝ごはんが、また大変でした。

 夜露を含んだ薪はなかなかうまく火がつかず、朝から汗だくになって米を炊き、肉を焼き、とうもろこしを焼き。


 食べてる間にだんだんと日差しが強くなってきて、日の当たっている太ももがジリジリと熱をもっていきます。


 まだ朝なのに、日差しの暴力が過ぎる!


 チェックアウトは11時でしたが、暑さに耐えられなかったのと、早い時間に帰れば渋滞に巻き込まれないだろうという判断のもと、9時頃にはチェックアウト。


 昨夜、遅くまで盛り上がっていたお隣さんは、いつの間にかご帰宅されてました。


 帰り道で、行きによった道の駅にまた寄って朝のデザートとしてピーナッツとバニラミックスアイスクリームを食べました。

 もう一つブルーベリーもあり、どちらも味が濃厚で美味しかったです。


 あとは高速に乗って事故も渋滞も巻き込まれることなく帰宅。



 こうして私の初めてのキャンプは無事幕を閉じたのでした。




 初めてのキャンプで反省点はいくつかありますが、


 蓄電池の電力は大事に使うこと

 クーラーボックスは大事(保冷バッグと保冷剤で乗り切った)


 これだけは頭に叩き込んで、次のキャンプに活かしたいと思います。



 次はもう少し、涼しくなってから……かな。

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