第十四話 次の能力が開花した
ゴブリンの襲来を防いでから二ヶ月が過ぎた。そして、今日ついに俺は全てを5にする事が出来た。蟻重力の熟練度を上げる為に俺は町の外にある崖から毎日飛び降りていたんだ。二ヶ月かかったけど遂に熟練度を上げる事に成功した。そして、新たな能力に目覚めたんだ。
能力1[蟻] 熟練度(5-5-5・MAX)
蟻牙小刀 熟練すれば石でも切る事が出来る小刀
蟻頭鎧 熟練すれば鉄の武器では傷つかない鎧
蟻重力 熟練すれば高い所から落ちても大丈夫
能力2[蟷螂] 熟練度0
蟷螂剣 熟練すれば魔法を斬る事が出来る剣
蟷螂羽 熟練すれば距離は短いが飛行可能に
今度の能力は
俺はホクホク顔で養護院に戻った。
「あー、ガイくんだ。どこ行ってたの?」
キャルが俺を見つけて声をかけてきた。
「キャル、崖に行ってたんだ。それよりもやっと新しい能力が開花したんだよ。そうだ、キャルお願いがあるんだけど家政魔法の着火を僕に向けて放ってみてよ」
俺はキャルに返事をしながらお願いしてみた。そう、蟷螂剣の能力を確認する為に。熟練度が0だから初級魔法でもヤバいと思い、家政魔法の初歩魔法ならばイケるかもと考えたのだ。しかし、キャルの返事は、
「えー、ダメだよー。ガイくん。人に向けて放っちゃダメってマーチ姉さんに言われてるから」
という、俺も逆らえないマーチ姉さんの指示だと言ってきたのだ。しかし、俺は検証したい。そこで、俺はキャルと一緒にマーチ姉さんの元に向かった。
「アラ、ガイとキャルが一緒に来てどうしたの?」
姉さんはそう言って俺達を出迎えてくれた。
「姉さん、僕ついに新しい能力が開花したんだ。それでね、まだ熟練度が0だからその能力を確認する為にキャルに家政魔法を僕に向けて放って貰いたいんだけど、キャルが姉さんから禁じられてるって言うから、許可を貰いに来たんだ」
俺はマーチ姉さんにそう説明した。
「ガイ、ちょっと待って。イキナリ過ぎて話について行けないわ。何でキャルの魔法をガイに向けて放つ必要があるのか説明してくれないと、私にはどう判断していいか分からないわ」
あ、そうだった。その部分を説明しないと確かにダメだよな。
「姉さん、新しい能力で剣を出せるようになったんだけど、その剣は魔法を斬る事が出来るらしいんだ。さっきも言ったけど熟練度が0だから、家政魔法の初歩である着火なら斬れるかなって思って」
俺の説明に姉さんは少し考えてから言ってきた。
「ガイ、先ずは私にその剣を見せてくれる?」
俺は今では
「ガイ、今の状態でも初級魔法は難なく斬れるようよ」
あっさり言ってのけた……
急遽、サイが呼ばれてやって来た。キャル、メイ、サイの三人は貴族じゃないしマーチ姉さんを師匠として慕っているのでその呼び出しには即座に駆けつけてくれる。
そして、サイは姉さんに言われて躊躇なく俺に初級魔法を放ってきた。
「ウワッ! と、ととと……」
俺は慌てながらもサイから放たれた火魔法に剣を振った。そしたら俺の剣が当たった魔法は消滅してしまった。固まる俺やサイ、キャル、メイ。
「うわー、ガイくんの剣が魔法を消しちゃったー」
「師匠、僕の魔法は魔力制御が悪かったんでしょうか?」
「ガイはまた一つ進化したの?」
一瞬あとに騒ぎ出すキャル、サイ、メイの三人。俺は姉さんを見て聞いた。
「姉さん、斬るってステータスにはでてたけど消滅したのは何でかな?」
俺の問いかけに姉さんは考えながら答えてくれた。
「私も確証がある訳じゃないけど…… 恐らくはガイの今の熟練度でも初級魔法ならば消滅させられるんでしょうね。斬るということならば中級魔法なら斬ったようになるのかも知れないけど、その
姉さんの言葉に即座に従うサイ。ウオッ! ちょっと待てーい!! 俺は慌てて剣を構える。躊躇なく放たれた水魔法に向かって剣を振ると、水を両断する事に成功した。ホッとしたよ。
「クッ! し、師匠、更なる修行をお願いします」
いや、サイくんよ。そこじゃないから。あくまで俺の新しい能力の開花の検証なんだからね。俺はそう心でツッコミをいれたけど、姉さんはサイに
「そうね、そろそろサイには魔力操作の勘所を覚えて貰う必要があるわね。かなり上手くなって自分なりの応用も出来ているようだけど、魔法を剣で斬られるなんて魔法を使う者としては容認出来ないからね」
と何故か俺ではなくサイ寄りの発言をしている。うん、魔法バカがここに二人います……
しかし、コレで俺も対魔法の能力を得られる事になったな。熟練度をマックスにしたら上級魔法でも斬れるようになるのかな。早く熟練度を上げたいな。コレからサイに協力してもらって頑張って上げていこう。まあ、協力を頼むまでもなくサイはヤる気十分なようだけど……
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