読書感想文よりも大事なことがあるはずだ

ViVi

セリフをひとつ見れば

 この自主企画イベントに参加されている諸君のうち、すくなくない割合の方は、『殺戮刑事』シリーズの読者であることだろう。ほかならぬ、わたしもそうである。

 で、あるならば、


「貴方の息の根を止めることですよォーッ!!!!」


 このようにセリフをひとつ見れば、どのキャラクターのものであるかは、すぐに判明わかるはずである。

 いかにも、同シリーズの看板キャラクター「殺死杉ころしすぎ謙信けんしん」――ではない!


 このセリフは、『殺戮刑事』シリーズの著者(春海水亭氏)の別作品、『青春ゲームブック』に登場したものだ。

 したがって、「殺死杉謙信」のセリフではありえない。データ系敵キャラのセリフだ。両者の口調は酷似しているが。


 つまりはすこしばかり意地の悪い設問だったわけだが、わたしは、なにも引っ掛けクイズめいたことをしたいのではない。

 主張は別のところにある。


 われわれが読書感想文を書きなぐっているこの図書室に、いまもデータ系敵キャラが潜んでいるかもしれない。

 データ系敵キャラは、将来的に殺戮刑事として大成するのかもしれない。(あるいは、殺人ピエロとして)


 そう考えてみれば、読書感想文の原稿用紙などと向き合っている場合ではない。(むろんわたしは文明の利器パソコンをもちいて記述しており、机上に原稿用紙などという紙切れは存在しないが、諸君はそのかぎりではあるまい)


 『書を捨てよ、町へ出よう』という作品もあるように(わたしは未読だが)、読書感想文よりも大事なことがあるはずだ。


 たとえば――


 たったひとつしかない自分の命を、健気に守ろうと足掻くとかねェーッ!!!!


 ケヒャァーッ! この自主企画としょしつにいる虐殺感想文ライターとはわたしのことですよォー! 辞世の読書感想文とともに死になさァーい!!!!

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読書感想文よりも大事なことがあるはずだ ViVi @vivi-shark

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