夢乃間 百の恐怖体験
夢乃間
一、佇む人物。
私は幼少期から多くの奇妙な体験、心霊現象を体験しており、時には命の危機に陥った事もありました。今回はその内の一つをご紹介します。
見え始めたのは小学校の頃でした。リビングで家族と一緒にテレビを見ていて、ふと廊下の方が気になり、視線をテレビから廊下の方へ向けると、そこに誰かが立っていました。
横を向いているため顔はよく見えませんでしたが、あれが見知らぬ人で生きている人物ではない事は直感で分かりました。
隣に座る母親に「あれ、誰?」と聞きましたが、母親には見えていない。それどころか、他の家族のみんなにも聞きましたが、誰も私が指さす人物の姿は見えないとの事。
それから私は家だけでなく、外でも他の人とは違う佇む人間を至る所で見かけていきました。小学生・中学生・高校生になっても、どこからか気配を感じ、その気配のする方に目を向けると佇む人物を目にしました。
しかし、彼らから何か私にする事はなく、見慣れてきた私は次第に佇む人物を見かけても驚くことはなくなり、怖いという感情は薄れていきました。
ある日、家で動画を見ている時、またいつもの気配を感じ、気配のする方へ目を向けるとそこにはやはり佇む人物が。
けど、その時はいつもとは違った。いつもは横を向いている顔が、どうしてかその日はこちらを向いており、そいつと私の目が合ってしまいました。
(え?なんで・・・?)そう思っていると、そいつはゆっくりと私との距離を縮めていき、手を伸ばせば触れられる程の距離にまで近づいてきました。
まずい!と思った私はすぐに視線を自分の足に落とし、目の前から感じる気配が消えるのを震えて待っていました。それから佇む人物が見える時、この時と同じ距離で現れるようになりました。
今でも、視界の端に誰かが佇んでいるのを目にする時があり、次に目を合わせた時はどこか別の世界へと連れていかれる。そんな恐怖を感じ、佇む人物の目を見ないように、常に周囲を警戒しながら生きています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます