想定外の結果
自分の手にかかれば、ざっとこんなもの。
何かしらキーになる情報が一つでもあれば、知りたいことが分からなかったなんて結論には至らない。
―――だが、さすがにこの結果は想定外だ。
「………」
ジョーは各方面から集まった情報を整理し、険しい表情でそれらを睨む。
依頼した調査の半分ほどの結果が集まった辺りで、最終的な結論を察した。
そんな馬鹿な。
すぐにはその推測を飲み込めず、追加で別方面へ調査を依頼した。
だが少しずつ集まってくる結果は、どれも自分の推測を肯定するものばかり。
自分が集めた情報だ。
嘘や穴があるとは思えない。
だとするなら……
単なる人捜しから、とんでもないことの
「キリハ君にどう伝えるべきかな、これは……」
脳裏に浮かぶのは、無垢な笑顔。
この事実を伝えれば、根っからの善人であるキリハはひどく心を痛めるだろう。
とはいえ依頼人がキリハである以上、伝えないという選択肢はない。
それに―――
ジョーは険しい表情を一転、その顔に意味ありげな含み笑いを浮かべる。
キリハには悪いが、自分はこの情報にある種の高揚感を覚えている。
やはりキリハに関わっていると、面白いことが転がり込んでくるものだ。
この先の関係性を維持するためにも、キリハにはうんと甘く対応してやってもいいかもしれない。
「さぁて…。これで、いかほどのものが釣れるかなぁ。」
にやりと。
彼の唇が、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます