想定外の結果

 自分の手にかかれば、ざっとこんなもの。

 何かしらキーになる情報が一つでもあれば、知りたいことが分からなかったなんて結論には至らない。





 ―――だが、さすがにこの結果は想定外だ。





「………」



 ジョーは各方面から集まった情報を整理し、険しい表情でそれらを睨む。



 依頼した調査の半分ほどの結果が集まった辺りで、最終的な結論を察した。



 そんな馬鹿な。



 すぐにはその推測を飲み込めず、追加で別方面へ調査を依頼した。

 だが少しずつ集まってくる結果は、どれも自分の推測を肯定するものばかり。



 自分が集めた情報だ。

 嘘や穴があるとは思えない。



 だとするなら……



 単なる人捜しから、とんでもないことのふたを開けてしまったことになる。



「キリハ君にどう伝えるべきかな、これは……」



 脳裏に浮かぶのは、無垢な笑顔。



 この事実を伝えれば、根っからの善人であるキリハはひどく心を痛めるだろう。

 とはいえ依頼人がキリハである以上、伝えないという選択肢はない。



 それに―――



 ジョーは険しい表情を一転、その顔に意味ありげな含み笑いを浮かべる。



 キリハには悪いが、自分はこの情報にある種の高揚感を覚えている。



 やはりキリハに関わっていると、面白いことが転がり込んでくるものだ。

 この先の関係性を維持するためにも、キリハにはうんと甘く対応してやってもいいかもしれない。



「さぁて…。これで、いかほどのものが釣れるかなぁ。」



 にやりと。

 彼の唇が、あやしく弧を描いた。


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