よくない戦況
会議室の中には、いくつものスクリーンに気象部が観測したドラゴンの生体データや各地からの報告、そしてレイミヤの状況がリアルタイムで映し出されていた。
「……まずいね。」
スクリーンに映るいくつのも画像を見ながら、フールは深刻そうに呟く。
彼の言葉の意味するところが分かるのか、隣に立つターニャも険しい表情で首を縦に振った。
「そうですね。皆さん、体力の消耗が予想以上に激しいようです。今回はしのげても、立て続けにドラゴンが出現するようになってしまっては、次はどうなるか……」
「やっぱり、
中継画像を見ていると、あの大人数でもドラゴンが相手では手こずるという事実が痛いほどに伝わってくる。
「あと、もう少しな気がするんだ……」
フールが祈るように、悲痛な声で言う。
「この一回は耐えるしかないよ。キリハたちには悪いけど、次のドラゴン出現までに、どうにかして焔を起こさないとね。」
それはキリハたちにとって、あまりにもつらい仕打ちになるだろう。
「ごめんね……キリハ。」
これから待ち受ける苦行を想像して、フールはぎゅっと目をつぶった。
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