あなたを独り占めしたいカノジョ

ろさこ

第1話:あなたと一緒の朝ごはん

(SE)ドアを開ける音

(SE)床を歩く音


モモ「ねぇ、カズマ」


(SE)ふとんを揺する音


モモ「ねぇねぇ、起きてってば。もう朝なんだよ。えいっ!」


(SE)カーテンを開く音


モモ「ちゃんとカーテン開けた。さっすがあたし!

   太陽も昇って。もういい時間だよ。カズマは仕事の時間でしょ?

   それより、まずはあたしのご飯の時間だけどね」


(SE)ふとんの中で寝返りを打つ音


モモ「ちょっと。あたしが起こしてあげてるのに起きないなんて、

   いい度胸じゃないの?

   もっと近くで声かけないとダメなのかな? 」


(SE)ふとんに乗り上げる音


モモ「(囁き声で)ばかカズマ。おーきーろー! 」


(SE)ふとんからガバっと起き上がる音


モモ「ふふふ。起きた。

   さっすがあたし。カズマ、耳弱いよねー!

   おはよう。今日はよく眠れたみたいだね」


モモ「なになに? 朝から抱きしめてくれるの?

   しょーがないな。

   こんなことしていいの、カズマだけなんだからね」


----

(SE)キッチンで包丁を使う音


モモ「カズマ、今日のお味噌汁の具はなーに?

   えのきと……おとうふだ!

   あたし、どっちも大好き! 」


(SE)鍋で具を煮る音


モモ「お味噌汁、早くできないかなー!

   ご飯が炊けてる、いいにおいがする。

   カズマと一緒にご飯食べるの、

   あたし、大好きだよ」


(SE)オーブンを使う音


モモ「なんか今日、いっぱい作ってるね?

   冷蔵庫からっぽになっちゃうよ」


----

(SE)食卓にお皿を並べる音


モモ「ご飯だー! いただきまーす! 」


(SE)ご飯を咀嚼する音


モモ「美味しい! ルナにまた自慢しよ。

   カズマはすっごく美味しいご飯をくれるんだよって。

   いつもありがとう、カズマ。

   あたしがありがとうって言ってもいいなって思う男、

   カズマだけなんだからね! 」


----

(SE)お皿を洗う音


モモ「ねぇカズマ。今日は朝起きれて偉かったね。

   カズマ、2年くらいいつも家に居て。

   夜にパソコンやゲームばっかしてる生活なんだもの。

   夜行性でタヌキみたい」


モモ「あ。」


(SE)乾燥機のスイッチを入れる音


モモ「食器いっぱい洗ってる。

   朝ちゃんと起きれたのって。

   もしかして今日、メイが来るんでしょ。そうでしょ」


(SE)ドアを開ける音


モモ「もうやんなっちゃう。

   ちゃんとお利口にお部屋でお仕事するんだよ!

   あたしは窓の傍でひなたぼっこしてくる」


----

(SE)猫の鳴き声


モモ「あくび出ちゃった。

   おなかいっぱいでひなたぼっこするの、

   気持ちいいな~」


モモ「あー、近々メイが来るんだな。

   メイが来る前には冷蔵庫をからっぽにして、

   メイが来たら料理ぜんぜんしないんだよね、カズマ。

   料理とっても得意なのにね! 」


(SE)風の吹きこむ音


モモ「あたしはモモ。カズマの飼い猫。

   全身きれいに白い毛並みと、長くてふさふさのしっぽ。

   あと、背中からしっぽにかけての滑らかなボディラインが自慢。

   カズマにだったら、いっぱい触らせてあげる。

   カズマが喜ぶから、メイにも触らせてあげてるけど」


モモ「メイはカズマの番だからむかつく。カズマはあたしのなのに。

   でも、メイがうちに来るときは

   カズマの生活が規則正しくなるから、便利だよね」


モモ「あと、メイが居るとカズマの笑顔がなんか違うの。

   あの笑顔を見れるのと、カズマが健康的になるから、

   メイが来るのもまぁ、認めてあげてもいいかな」


モモ「風が気持ちいい。

   あと少し眠ったら、部屋でパソコンやってるカズマに

   ちょっかい出しにいこうかな。

   たーのーしーみー! 」

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