第46話 魔人2号出動
大地の救済者カミオは、エキドナも知らない秘密の研究所に籠っていた。
万が一がある。セキュリティは最大警戒体制を敷いている。
相手にしたくないから、しばらくはこのまま籠ろう。
既に、完成している魔人2号〜5号を起動させ警戒に当たらせている。
表向きの研究所には、エキドナが来襲したようだが僕がいないため帰っていった。
その時、研究所の壁と塀を破壊して行った。
セキュリティシステムに写った壁を破壊する姿が送られてきた。
モニターに映し出す。
嬉々として壁を破壊する姿が映し出されていた。
『恐ろしい。人間業じゃないな・・・あっ・・・彼女も僕と同じ魔人だから元々人間じゃないよな・・・あっ・・・これが普通か・・・』
どうせ、セキュリティシステムを調べてもここには辿り着けないから安心だ。
たとえエキドナがやって来て、サシで相手をする羽目になっても負けることは絶対ないが、そんな面倒なことはしたくない。あんな面倒臭い女を相手にしたく無い。とてもしつこいが暫くすれば忘れるだろう。熱し易く冷めやすくすぐに興味の対象が変わるのが彼女の特徴だ。
無駄な事はせずに楽をしてぐーたらしたい。ただそれだけだった。
今頃は、壊された研究所は自動修復システムが稼働して修理している頃だ。
ここには、研究中もしくは作成途中の魔人達はあと10体ある。
早急に量産体制を作ろう。
大地の救済者の仲間には内緒で全員の位置が分かるようにしてある。
とりあえず全員の位置をモニターに移す。
ここの周囲には誰もいない。
エキドナは自分の自宅兼研究所に戻っている途中だ。
「よし、魔人2号来ておくれ」
3mはある褐色の巨大な身体の男が入ってきた。
「この際だから少し離れたA市を滅茶苦茶に破壊してきて、手加減はいらないよ。終わったら周辺の街を順番に破壊して」
頷く魔人2号。
「よし、行っといで・・・」
魔人2号は部屋を出ていく。
「これで良しと・・・あとは秘書が必要だな。今ある実験体の中にひとつそれ向きなのがあったな・・・よし、それから開始だ」
カミオは鼻歌混じりのルンルン気分で実験室へと入って行った。
街中に破壊音が響き渡る。ビルが次々に破壊されている。瓦礫が飛び散り道路や街中に散乱していく。車両に突き刺さる瓦礫。走行中の車にぶつかる瓦礫。
ひとつまたひとつと建物が崩壊していく。
何が起きているのか分からずに逃げ惑う人々。
恐怖に駆られた1台の車がアクセルを思い切り踏み込み道路を走る。
その車が、3mの身長を持つ男に突っ込んだ。
だが、壊れたのは車だけで、3mの身長の男は何事もなかつた様に立っている。
驚愕の表情で見つめる傷ついた街中の人々。
3mの身長の男は魔人2号であった。
魔人2号はひしゃげた車をを持ち上げると、近くの無傷のビルに向かって思いっきり投げつけた。
投げつけられたひしゃげた車は、ビルに大穴を開けビルの中ほどで止まった。
その様子に不満げな表情を浮かべる。
そして、路肩に止まっている車両を持ち上げると、周囲のビルに向かって次々投げつけ始める。
次から次に始まる破壊。街に響き渡る破壊音。悲鳴と怒号を上げて逃げ惑う街中の人々。
魔人2号は建物を次々に瓦礫の山へと変えて突き進む。
魔人2号が通った後には、立っている建物は見当たらない。
あるのは瓦礫の山しかなかった。
数人の警察官が拳銃で一斉に発砲した。
鳴り渡る銃声。
銃撃にも平然として立っている魔人2号。
不敵な笑みを浮かべる。
信じられないといった表情の警察官は、魔人2号の笑みに恐怖を覚え、ありったけの銃弾を打ち込んだ。
平然としている魔人2号。そして近くの電柱を引き抜くと、それを思いっきり振り回し始めた。
止まっている車を薙ぎ払い、建物にめり込む電柱。
野球のバットを振るかのように次々に電柱を引き抜いては振り回し始めている。
魔人2号はA市を全て更地に変えて次の街へと去っていった。
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