第3話 運命を変えるその代償
時刻は現在9時半
昼から両親は出掛けるのでそれまでに両親を外出させないようにしなければならない。
(しかしどう説明しようか、過去に戻ったという訳にも行かないし……)
しばらく悩む俺、考えた末俺は両親について行って事故の起きた場所以外の道をナビゲートするという古典的な方法を取った。
正直これしか思いつく事がなかったのもあるが
「ただいま〜」
「疲れたわねぇ」
「そうだな、久しぶりの家族3人水入らずのお出かけだったんだ楽しかったよ」
作戦通りにナビゲートをすることによって
俺は家族を失う運命を回避出来た。
これからも不運な運命を回避できるのは
自分にとってメリットになると考えたが
自分がもしも未来の記憶を持った人間だとバレれば面倒事が起きる予感しかいない
この人生は普通に生きたいのである
そんな中、幸せの中日々を過ごしていると
食事中にとあるニュースが放送されていた。
[ 6月3日 午後3時頃 桜町通り4番目で車同士の接触事故が発生しました 、その事件で乗用車に乗っていた被害者の30代男女2人が死亡、10代の少女1人が軽傷です]
「大変ねぇ」
「その日は俺達も桜町に行っていたから尚更怖いな」
「……」
俺は冷や汗が止まらなかった、俺が殺した訳じゃないにせよ、他の人が亡くなるなんて……
俺はこの時初めてこれは漫画やゲームじゃない
リアルなんだと改めて実感させられた
運命を変えると主人公たちは言うが
その運命の歯車から逃げきれただけで
必ず誰かが犠牲になるという事に考えが及ばなかった。
俺はこれからどう過ごすのかゆっくり考えながら
眠りに着いた……
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