尺八様とぼく

おひたし

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 尺八様ってなんだろうというぼくの疑問は、「淫乱ド変態妖怪」という出だしの一文、正確には紹介文によって一瞬で解消されました。

 淫乱ド変態妖怪。「淫乱」と「変態」という似た意味の言葉を重ね、変態には「ド」まで付けた、とても強い言葉であり、最近はこういう言葉を「パワーワード」「キラーワード」と呼ぶらしいです。言葉に力が宿る、言葉で人を殺すというイメージは、春海水亭の作品によく出てくるやたらと殺意と熱意と勢いの凄い殺人鬼のようで、まさに春海水亭さんのためにあると言っても過言ではないかもしれません。

 この話は尺八様という妖怪のようでありながらただの凶悪で変態な人間が次々と現れ、主人公を困惑させてきます。まるで境界戦機に翻弄されるぼくのようでした。

 境界戦機。YouTubeで全話公開されているロボットアニメですが、現代と地続きで、経済崩壊後四国に占領された日本と占領後に生まれた日本人主人公という世界観、現実でも近未来に訪れるかもしれない危機感を表現した作品と言う触れ込みでありながら、エルフや悪魔のように耳がとがった悪人や、圧政を食らっているのかいないのかよくわからない街の姿、ごく最近までEスポーツの左官部門が開かれ奨学金も出るという平和で裕福な環境、普通に優しかったアメリカがいきなり悪役になるなど、視聴者を翻弄させてくる内容です。最終的に中国とロシアとついでにオセアニアモチーフ国家と手を組み、彼らに一部地域のみの自治を許され、日本政府を擁するアメリカと主人公たちレジスタンスが戦うというこのご時世に危険すぎる政治性をも内包しており、ごく一部で無駄に話題でした。

 しかし、人間は翻弄されるだけではいけません。毎回律儀に反応しツッコミを入れ、最後には教訓を獲得した尺八様の主人公のように、ぼくも変な作品に対しても自分なりに分析し教訓を得ようとする精神を忘れないように過ごしていこうと思いました。

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尺八様とぼく おひたし @ohitashi

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