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ナカムラ
始まり
私は、田中 香(たなか かおり)。専業主婦だ。
私は、同級生の車の助手席に乗っていた。
今日は、友人の結婚式に参加するため、正装していた。
私は、運転している友人と他愛もない話をして盛り上がっていた。
「和子ったらさー。あの時……」
その時だった。センターラインをオーバーして、私達の車に、相手の車が正面衝突してきた。
私は、一瞬のうちに体が浮かび上がり、フロントガラスに、私の顔が突っ込んだ。
私の顔には、無数のガラスの破片が突き刺さった。
そして、顔は、傷だらけになり、元の助手席に体が戻った。
救急車のサイレンの音が聞こえる。
きっと、誰かが呼んだのだろう……
私は、そこで意識を失った。
気が付くと、私は、病院の部屋の天井を見つめていた。
私の顔は、包帯でグルグル巻きにされていた。
私は、自分の名前と専業主婦であることしか覚えていなかった。
医師によると、事故による健忘らしいが、一時的なものかどうかは、解らず、暫くしたら、リハビリをするように勧められた。
もう1つ、医師に勧められたことがあった。
「何回か手術して、傷口を無くしませんか?」
私は、何故か断った。
「いいえ、特に、その必要は、ありません。」
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