そんなことを、徒然に。
桐月砂夜
第1回 書くことと描くこと
何かをはじめるとき、わくわくしますか。不安になりますか。わたしは後者です。
けれど、物語を紡ぐことに関しては、とても楽しくはじめられたと思います。
もともと、学生時代にオリジナルの短編小説や詩を自分のサイトで公開していた時期がありました。
小説は短編だったのもあって日記のように続けられたし、詩は思うままぽんぽん書いて、ちょくちょく更新することが出来ました。自分の時間がたくさんあったこともありますが、でもそれはきっと、当時読んでくださった、そしてわたしに作品を読ませてくださった方々のおかげだと思います。ほんとうに楽しかった。
それを続けなくなったというか、続けられなくなったのは、わたしの環境が変わったからです。
簡単に言えば、大学卒業、就職と引っ越し…またそのときはすでに、創作内容が小説からイラストに移行していたことも関係していると思います。ありがたいことに会社員をしているときと並行して、個人的にイラストでお仕事を頂くこともあり、なおのこと小説を書くことから離れていました。
しかし、文章を書くこと自体は、変わらずに大好きでした。
例えばイラストに添えるキャプションの、一行だけの台詞。
ごくごくたまにしたためていたブログ。ブログの更新がだんだんと遅くなり、ついに止まってしまったのは、スタンプを使ってみたり、ページのデザインを変えてみたりとか、ついついやってしまうこと自体、億劫になってしまったからなのです。(言い訳がましいね。)
それから、別の趣味にともない書き起こした台詞や脚本。どれだけ手を広げれば済むのでしょう、というお話はまたいずれ。
ともかくも、自分はもう、物語を書くことは出来ないと勝手に思っていましたが、こうしていま改めて物語を紡ぎはじめて、ほんとうに良かったです。やはりいま、それが何より楽しいのです。(と言いながら、わたしが突然消えたら、書き溜めたものが消え去ったかなにかして傷心の旅に出たのだと思ってください。)
当初、といっても先日までですが、小説の投稿は考えておらず、あくまで自分のためだけにしたためていました。単純だけれど、ストレス発散とか、空想にひたるためでした。
それはいまでも、これからも、そうであるだろうなあと思いますが、投稿を決めてからはその自分のための文章たちと、世に出ていく物語の線引きを、何処か頭のなかでしてしまうのだろうなあ、と考えたりもします。
公開しないつもりで書いているものと、公開するつもりで書くのでは違いますよね、何か…。
いまの物語を投稿したときも、登場人物たちをお嫁に出したような気持ちになりました。まあ、今回のようにいきなり投稿を決める物語も、今後あるかも知れませんし、其処はあまり深く考えないでいきたいです。なにせいまの物語を作りはじめたのも、今年の五月後半でしたから…。
いま投稿しているお話も、まんなかの、しかもいまからはまだまだ先の部分だけを勢いに任せて書いていました。もともと短編小説しか書いたことがなかったので、其処からはじめることしか、頭に浮かびませんでした。簡単な景色だったり、それこそ台詞だけだったり。
けれど、少しずつその前後に紡ぐ言葉は増えて、つながっていって、いまのような物語が生まれていきました。いまでも自分が長編を、それもまだ終わり切っていないものを紡いでいるのは不思議です。
と言っても、少しは形になったと自分が思ってからも、投稿するつもりはありませんでした。何せ自分のためだけの物語だと思っていたので、当初は考えたこともなかったのです。
どうしてそうすることを決めたのか…いままで色々なものに手を出して来たように、ものの試しだと思ったところもありますが、皆さんそうだと思うけれど、やはり自分の世界をみてもらいたかった。
なんだか格好いいことを書きましたが、ほんとうは、その学生時代に書いていた小説たちが、学生時代から会社員になるまで使っていたノートパソコンの故障ですべて消えていきまして、ウェブ上に載せていればそのサービスが存在する限り安心だろう、と思ったのが最初です。いま思えば、イラストに移行したきっかけは、このことも大きかったのかも知れません。そう思いたい。そうか、あれは傷心旅行だったのか。
絵描き、は知っていましたが「物書き」という言葉は、いままで知りませんでした。考えてみれば絵描きというのだから、物書きという表現があって不思議はなかったのに。
わたしが絵を描いていたからなのかも知れません。アンテナが低かったというか…何処か頭のなかで、「書くこと」と「描くこと」は別だと思っていました。
正直なところわたしのなかで、いまも分かっていない部分は多いし、線引きする必要もないのだと思いますが、自分が自分を「物書きです」というかも知れないのは不思議で、そして楽しみです。
学生時代の頃、わたしが短編を公開していたときより、世界が広くなった気がします。そもそもはじめは、投稿サイトの存在に驚きました。わたし個人的には、その広さに追いつけていないので、きっと多くを取りこぼしているのだろうとも思いますが、そういったものを駆使して物語のなかのみんなを、歩かせていこうと考えています。そして皆さんの世界を覗かせていただきたいです。
当時、互いの小説で(もちろんそれだけではないけれど)言葉を交わした方々は、どうされているかなあ、とふと思います。皆さんお元気かな。もしかしたらわたしがいま投稿させていただいているサイトで、すれ違っているかも知れません。わたしの名前も変わったし、皆さんのいまを知る術がないのが寂しいですが、この新しい世界でまたどなたかと、物語を含めて、そういったお話をさせていただける機会があると嬉しいなあ、と思います。
ここまで書いておいてなんですが、あの、エッセイってどんなものでしたっけね。とりあえずわたしに於ける「エッセイ」というものは、このような感じでしたためていく所存でございます。
此処まで読んでくださったあなた、愛しています。
お話する内容はそれこそ未定ですが、物語とは違う視点で書きますので、また読んでいただけたらうれしいです。このように長くなると思いますから、どうぞほんとうにお暇なときにでも…。
いま長編を書いていますので、以前のように短編や詩にも手をつけたいな、などと思う今日この頃です。
それでは、また。
2022年7月21日
桐月砂夜
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