第37話 深山
杉谷 「………あなたこそ、ここで何してるんですか……」
深山 「そりゃあ、最終調整さ。ま、時間はかかったがね。これで計画は大きく進ん
だ」
遠縁 「…深山大信。計画とはなんだ」
深山 「…お前たちに言っても仕方ないと思うが?ははは、いずれこの地は海に沈む
んだよ」
深山 「計画が満了すれば、ルルイエは完全に浮上する。そうすれば、すべて海の藻
屑さ」
遠縁 「なるほど、な…あんたも黒幕ってことか?」
深山 「はは、そうかもな?だがどうする?止めるか?」
杉谷 「……なぜ戦闘人形を使う必要があった……」
深山 「当たり前だろう?人間は同族、その上いたいけな少女に敵意を向けられる
か?無理だよな?そういうことさ。いくら人形でも、攻撃にはためらいが生ま
れる。だからこそだよ」
遠縁 「・・・」
杉谷 「……………けるな……ふざけるな!!!!!!!!」
杉谷 「なんであんたの自分勝手な都合で、無関係な子供まで犠牲にする必要があっ
た!!!あんたの身勝手な行動で今も他の戦闘人形は戦い続けている……自分
からなりたくてなったわけでもない体で」
遠縁 講師・・
杉谷 「ヒトともよべるかもわからない存在となって悩む子もいた………」
杉谷 「大人の計画っていうのは…そんな自分勝手なものなんかじゃない……本当の
大人の計画ってのは……子どもたちが、笑顔で明るく過ごせる社会を実現す
る、そのために大人は夢を語るんだ……子供を守るってのが大人なんだ
よ……」
杉谷 「……だから僕は、あんたを止める……これ以上、悲しむ子供を、出さないた
めに!!!」
深山 「…はぁ。めんどくさい。君たちに用はないんだよ」
深山 「まだ深きものの王を呼び出しただけだ。海帝様を呼び出すための準備ができ
ていない。だから、君達には消えてもらいたいんだがね」
遠縁 「あんたを先にやらさせていただくぞ」
深山 「…そうか。出来るものならな」
KP では、全員聞き耳どうぞ
[《皇 CCB<=45 【聞き耳】 (1D100<=45) > 19 > 成功》
《遠縁 CCB<=40 【聞き耳】 (1D100<=40) > 52 > 失敗》
《杉谷 CCB<=55 【聞き耳】(1D100<=55) > 47 > 成功》
KP では、突如あなた達の背後の通路から足音が響く。それは風のように駆け抜
け、次の瞬間刀が舞います。その刀は深山のサングラスを弾き飛ばし、あなた
達の前に少女が駆け付けますね。アニカだ
遠縁 「アニカ!」
皇 「アニカちゃん!!」
アニカ「皆ッ!大丈夫…?!……それに、どうして深山が…?」
遠縁 「彼も・・黒幕みたいだ」
アニカ「…そう…なの」
KP では、深山はサングラスの消えたその瞳で、あなた達を見据えます。その目は人間離れしており、ぎょろりとした目がくるくると回っている。その顔は先ほどまで見ていた深きものに似ていた。
深山 「ハハハッ!アニカか…。まあいいだろう。大いなる神の復活までの余興でも
しようじゃないか」
深山 「まあ、人間ごときが我々深きものに勝てるとも到底思えないがな?ははは」
杉谷 「…勝てるかどうかじゃない、勝つんだ。僕たちにはアンタらと違って、背負
ってるものが違うからな」
遠縁 「こいよ!魚人やろう!」
皇 「やってやろうじゃん!かかってこい!」
KP では、そう言うとですね。深山は首をかしげます
深山 「…はて、誰が私が戦うと言った?」
KP そして、彼は指を鳴らします
KP 1d3 (1D3) > 2
杉谷 グラディウスかな?
KP 遠縁さん、回避どうぞ
《遠縁 CCB<=80 【回避】 (1D100<=80) > 46 > 成功》
KP では、貴方の頬を何かが掠める
遠縁 「っ・・なんだ!」
KP それは刀だ。そしてその持ち手は
KP …アニカ、その人だ
遠縁 「・・アニカ」
深山 「全ての戦闘人形の作り手は私だ。マスター権限くらい用意してあるさ」
杉谷 「…どこまでも卑劣な真似を!!」
深山 「どうとでも言え。人間と我々じゃあなにもかもが違うのだよ」
遠縁 「・・人間怖いんだな お前」
深山 「さあね。…さて」
深山 「雑談はもう飽きた。さっさと殺せ、アニカ」
アニカ「はい」
KP 彼女はそう無機質な声で答えると、ひょいと深山の横へと立ち、あなた達へ
切っ先を向ける
深山 「さあ、戦闘と行こうじゃないか」
遠縁 「さて、解放しますか。彼女を」
杉谷 「彼女をもののように扱うアイツの手から早く救おう……力を貸してくれ…朱
里ッ!」
皇 「深山…もう許さない首洗って待ってろ」
深山 「ははは!さあ、行くぞアニカ。叩き潰せッ!」
KP アニカは刀を構え、あなた達へと向ける
KP そして、刀を振るった…だが、その刀はあなた達に届くことはない
KP なぜなら、その刀は深山の腹部に突き刺さるからだ
深山 「………は…?」
KP そんな声と共に、刀が引き抜かれる。塩臭い血しぶきが、辺りを赤く濡らす
ことだろう
遠縁 「・・・!?」
皇 「あ、アニカちゃん…?」
杉谷 「…なんで」
アニカ『…あのさ。僕一度も貴方の命令を聞いた覚えはないんだけど?』
KP 彼女はそう言うと、あなた達へ微笑みかえす
アニカ「チップ?そんなもの知らないけど?そもそも貴方の命令を聞く筋合いなん
て、ないよ」
深山 「…なぜだ…?おかしい!チップは確かに居れたはずだ…故障か?そんなは
ず…」
アニカ「さあ?でも僕は覚えているよ。お前が目の前であの子を殺したのも、お前が
僕の身体を改造したのも、全部全部…ね」
遠縁 「・・芽衣くん」
アニカ「…ふふ、ありがとう。その名前で呼んでくれて」
深山 「…記憶も消したはずだ…なぜだッ!なぜ覚えているッ!故障…?そんなまさ
か」
アニカ 「…記憶…ね」
アニカ「…僕はさ?何も忘れたことはないし…”忘れられたこともない”」
アニカ「生まれた瞬間の秒数だって、道端に落ちてたガムの包装紙だって、僕と知り
合った全ての人の名前だって、全部覚えている」
アニカ「だって僕は”忘れられない”から。この脳が忘却を拒み続けるから。だから私
は覚えてる」
深山 「…何を…」
アニカ「…僕の目には”瞬間記憶能力[カメラアイ]”が宿ってる。だから一時も忘れた
ことはないよ。お前の顔は」
アニカ「…ちょっとだけ騙してて、皆ごめんね。でも…許してほしいな。」
遠縁 「んー・・頬が擦ったのは痛かったなぁ」
アニカ「…それは…ごめんね」
遠縁 「まぁ許しますよ。アニ・・芽衣」
アニカ「…うん…!…さて」
アニカ『形勢逆転だよ、皆。もうひと踏ん張りだから…行くよッ!』
皇 「おっけー!」
杉谷 「やりましょう!!」
深山 「ふざけるなよ…お前らァ!クソ…この手で殺してやる…ハハハッ!」
KP それでは
KP ー戦闘開始ー
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