第32話 薬井

KP  それでは、時間を進めましょう。夜です


杉谷 「みんなどう?リラックスできたかな?」


皇  「だいぶリラックス出来た!たまには休むのも大事だね」


遠縁 「そうだね。リラックスできたね」


皇  「退院会議は終わったかな」


遠縁 「行きますか」


杉谷 「うん、いこう」


KP  どうしますか?


皇  医務室に行きます


KP  では医務室へと向かう。あなた達が医務室へと向かうと気づくんですが、ア

   ニカがいますね。彼女はそのまま医務室へと入っていきます。どうしますか?


皇  外から聞き耳立てます


KP  他の皆さんもそれで?


杉谷 そうですね


遠縁 まぁ聞き耳しよう


KP  では、聞こえてきますね。どうやら会話しているようですが、穏やかなもの

   ではなさそうだ。描写します


アニカ「…君は、いつまでその態度を続けるつもり?」


アニカ「勿論、君の気持もわからないでもない。それはわかってる。なら、なんで

   君はまだここに残ってるの?辛い思いをしたなら、さっさとやめればいい。僕 

   とは違って、君はどこにでも行けるだろう」


薬井 「……私には…まだ見ないといけない患者さんもいるから…。それに、私だっ

   て…あんなことはしたくなかった…」


薬井 「でも、私がやらなきゃもっと多くの被害が出る。そう思ったら…、私には割

   り切ってああするしかなかった…ッ」


薬井 「…それに、辛いからって辞めたら…それこそ悪者でしょう…?」


アニカ「…分からないよ。君は僕たちを否定する癖に…何がしたいんだ。僕は人間

   だ。……機械なんかじゃないよ」


薬井 「…わかってる…!だけど…私はこれが仕事なのッ。一度そう割り切ったら…

   もう私にはそうするしか…」


アニカ「仕事……か。それなら僕と仲良くしてくれたのも、仕事だったのかな」


薬井 「……ぇ、いや…ちが…」


アニカ「……僕にプレゼントをくれたのも、一緒に遊んだのも…」


薬井 「まって、アニカ。違う、私は…」


アニカ「………いや、ごめん。…今まで迷惑かけたね」


薬井 「…待ってッ、違う…私は…、アニカ…ッ!」


アニカ「……ごめんね」


KP アニカはそう言うとすたすたと医務室から出ていく。近くにいたあなた達に気

   づく様子もなく、戻っていくでしょう


遠縁 「・・自分、アニカ先輩追いかけます」


皇  「…分かった、気をつけてね」


杉谷 「では、僕たちは先生と話をしようか」


皇  「そうだね。先輩、アニカちゃん頼んだよ」


杉谷 「よろしくお願いします。遠縁さん」


遠縁 アニカ先輩をおいかけます


KP  それでは、先に医務室からやりましょう。あなた達が入ってくれば、彼女は

   取り繕ったような笑顔で迎えてくれるでしょう


薬井 「あ…、お疲れ様です。今日は…どうしました?」


杉谷 「…あなたにとって、アニカさんはどんな存在でしょうか」


薬井 「……聞いていたんですか」


杉谷 「聞いていましたし、大襲撃でどんなことがあったのか…知りました」


薬井 「…すみません。皆さんには…少し不愉快な話になるかもしれませんが…。私

   は、きっと心の底ではアニカ…戦闘人形を人ではなく兵器だと思っています」


薬井 「…私は、もともとアニカとは友人でした。休日には遊びにいったりもしてい

   ましたしね。ですが、あの日…大襲撃の日に理解したんです…いえ、理解させ

   られました」


薬井 「…彼女たちは兵器なんです。この町を守るための。…もちろんそうじゃない

   とは思っていました、でも…私はそうでも思わないと…私の心が壊れてしまう

   んです」


薬井 「…だから、私はアニカを兵器として認識します。…そうしないと…私は私を

   見失う気がするんです」


皇  「…もし私が薬井さんの立場にいたら多分私も同じように考えてしまうと思

   う。だって、人を戦場に送るために治療をしているなんてつらいじゃん、だか

   ら薬井さんを責めるつもりはないよ」


皇  「でも、アニカちゃん悲しんでると思う。二人は仲が良かったんでしょ?」


薬井 「…ええ。ですが、ダメなんです。きっと…私が中途半端に関わったら…もっ

   と彼女を傷つける。それに、彼女にも嫌われていると思いますしね…」


皇  「中途半端でもいいじゃん!完璧な人間関係なんてないんだよ。それに、私だ

   ったら関わりがない方が嫌だよ」


杉谷 「それに、あなたは嫌われてなんかいませんよ」


薬井 「…でも…私は…」


皇  「薬井さんは、アニカちゃんと前と同じように仲良くしたいって思っているん

   でしょ?」


薬井 「…それは…そうです。でも…私はアニカを気づつけたくないんです…!だか

   ら…」


皇  「薬井さんがアニカちゃんの事避けていたらアニカちゃんもっと傷つくよ。ア

   ニカちゃんは薬井さんと仲良くしたいって思っているの」


薬井 「……本当に…そう…なんですか…?」


皇  「うん!わざわざ嫌いな相手のところまで行って話なんてしないでしょ?」


皇  「それに、アニカちゃん薬井さんからのプレゼント大事にしてたよ」


薬井 「それは……。…いいんでしょうか、こんな私が…」


皇  「薬井さんじゃないとダメなんだよ」


杉谷 「…とある人が言っていました。『過去にとらわれていては前に進めない、今

   が大事なんだ』と。大事なのは過去の出来事ではなく、今のあなたの気持ちで

   はないでしょうか?」


薬井 「…そう…ですね」


薬井 「ありがとうございます。…少し…楽になりました…また明日にでも…話して

   みようと思います」


皇  「うん!絶対仲直りできるから」


杉谷 「いい報告、待ってますよ」


薬井 「ありがとう…ございます。任務…頑張ってくださいね」


KP  それでは、アニカに移りましょうか

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