瓦礫多少女は拒まない。
宿木はたけ
第1話 探索者「皇 天嶺」の導入
海風が、ふわりと吹いた
森が、ザワリと嘶いた
そして、太陽がこの町を明るく照らす
ここは、アラハバキ。様々な人間が集い、交わり、去っていく
コスプレイヤー、芸能人、サラリーマン、学生
いつも通り、街には活気があふれている
しかし、それは人間だけに限ったことではない
人間とは相容れない、おぞましく醜悪な者達もまた、この地に集うのだ
カッチリと嚙み合った歯車。それらは自然に回り出す
貴方達という3つの歯車によって、物語は動き出す
さあ、始めよう。この物語は「君」という歯車を以て廻り始めるのだから
――――「とある者の独白」より
KP
開店の準備をしている。
皇 「カルテ纏めないと…はぁ、一人で診療所運営をするのって大変だぁ」
KP そんななか、テレビからはこのようなニュースが流れてくる
『先日、アラハバキ周辺での宇宙人の被害件数が100件を超えたことが確認されました。1年ほど前から続いている宇宙人騒動ですが、一向に解決の糸口は見つかっておらず、宇宙人対策組織として設立された国家組織「AELDA」からは現段階での発言は混乱を招くためお断りさせていただきます。と発言されており、市民からは不満の声が上がっています』
皇 「もう一年か~、そろそろ平和になって欲しいものだよ」
そんな風に準備をしていれば、まだ開店前にもかかわらず診療所の扉がノックされる
皇 「ん?誰だろう。はーい、今行きまーす!」
KP 貴方が扉を開ければ、そこには30代ほどの男性が立っているのがわかるだろ
う。赤い軍服を身に纏った男性だ。そう言えば、同じような軍服をアラハバキ
内でも見かけたことがある
皇 「えっとぉ、どうされましたか?」
男 「ああ、ここがすめらぎ診療所、出会っているだろうか?私は今朝一番の予約
をしている”穂村”と言うものだ」
皇 「あ、穂村さんでしたか。まだ時間ではないのですが…とりあえず中に入って
ください」
穂村 「ありがたい。ああ…少し時間がかかるので先に戻っていてほしい。患者を連
れてくるのでな」
皇 「分かりました、待合室開けておきますね」
KP それでは、しばらくすれば中へと穂村が入ってくるだろう
穂村 「ほぉ…しっかりとした施設だ。さすがアラハバキ1の診療所と言ったところ
か」
KP そんな彼の背後には、一人の少女がいることでしょう。見た目は10代前半と
いったところだろうか。同じく赤い軍服を身に纏っており、髪の後ろを束ね、
前髪は整えられている。彼女はこちらが見ても何も動じていないようだ。
皇 「その方がどうかされたのですか?」
穂村 「…その前にだ」
KP 彼はそう言うと、近くのテーブルに乱雑に封筒を投げる。投げられた勢い
で、中からは束になった1万円札が大量に出てくることだろう
穂村 「少し特殊な事情でな。他言無用に願いたい」
皇 「え?!ちょ、なんですかこれ!それに、特殊な事情って、?」
穂村 「君は…AELDA《アイーダ》を知っているだろうか?私はそこの”最高司令
官”を務めている。その子は…まあ少し事情があってな。深くは話せないが精
神的に疲れているようだ。しばらく休ませてあげて欲しい」
皇 「分かりました、とりあえずこちらに…」
そういって彼女は病室の一つに案内をする。穂村は知覚にある椅子に座るが、少女は彼の背後にいるままだ
皇 「精神的に疲れているって何かあったんですか?」
穂村 「…詳しくは話せないな。とりあえず、その封筒にはそれについての資料も同
封してある。私は医学には詳しくないが、君はアラハバキ1の医師らしいな。
そんな君に頼むんだ。そんなはした金は前金だ。次…3日後に報酬金1億を払
いに来る。それまで預かっていてほしい」
皇 「一億円…?!そんなに治療費かかりませんよ!」
穂村 「それは知っている。直せるとも思っていないからな。…それは口留めだ。こ
のことが外部に漏れれば…」
KP 彼は首の前で指をピッとした。
皇 「わかりましたよ、、まったくもう」
穂村 「それじゃあ、頼んだよ」
KP そう言うと彼は診療所を去っていっきます。
KP さて、どうしますか?封筒の中にはお金のほかにメモのようなものも見え
る。
皇 メモ見ます
KP それでは、このような内容です
「戦闘人形マリオネットについて」
製造番号:BDN024
製造年月日:2021/09/10
固有名称:
所有者:
その他:試験時暴走確認、破棄。
製作者:深山大信
KP これに対して知識が振れます
《皇 CCB<=85 【知識】 (1D100<=85) > 79 > 成功》
<知識情報>
「深山大信について」
深山大信。彼がロボット工学会における権威であることがわかるだろう。
人工知能の開発や、人間らしさを追求したロボットの開発に力を入れている人物だ。人類学的な側面からか医療の分野にも手を伸ばしてきており、「医療業界の異端」として話題になっていることを知っているだろう。
皇 「戦闘人形も作れるの?!……まさかこの子戦闘人形?」
KP 「彼女を見れば、瞳を閉じたままで微動だにしない。彼女からは呼吸音と共
に規則的な電子音も聞こえてくるだろう」
皇 「ロボットじゃん。えー、でも精神的に疲れているって、どういうこと?」
彼女は手を触ろうと少女に近づく。すると少女はパッと目を開いた
皇 「!…お、おはようございます。」
少女 「当機体の起動率、42、75、93、100。正常な立ち上がりを確認。位置情報取
得中…。取得完了。現在 2021 年 9月 10 日、10 時 3 分。初回セットアップを
開始します。当機体の固有名称を登録してください。繰り返します。当機体
の…」
KP そんな言葉を繰り返すことだろう。現実とはかけ離れた状況に正気度喪失0/1
《皇 天嶺 : CCB<=85 【SAN値チェック】 (1D100<=85) > 30 > 成功》
皇 「え、えーっと、どうすればいいのこれ」
少女 「繰り返します。当機体の固有名称を登録してください」
皇 「名前を決めればいいの?でも、勝手に決めてもいいのかな…」
少女 「繰り返します。当機体の固有名称を登録してください」
皇 「まぁ、いっか、この子私に任されたんだし!えーっと、名前どんなのがいい
のかな」
彼女は数秒時間を置いた後
皇 「よし決めた!全体的に赤いし、あなたの名前は茜あかねで!」
アカネ「茜…………。登録しました」
アカネ「続いて、保有者の登録を行います。ここに触れてください」
KP 彼女は手の甲を見せるように手を上げます
彼女がその手に触れると
アカネ「………登録しました。最後に、当機体の機能説明─────」
KP 突如、彼女の言葉が停止する
皇 「ど、どうしたの…?」
KP 彼女の瞳が閉じられ、静寂が訪れる
皇 「…充電とかが切れたのかな?」
KP その時だ
ビィ―――――――ッ!!
KP そんな音が部屋に鳴り響く。それは、彼女から発せられていた。
皇 「み、耳が…」
KP まるで警告音のような音が鳴り響く。ずっと聞いていると頭がおかしくなり
そうなそんな嫌な音だ。そしてしばらくすると音はやみ、アカネの眼が開く。
だが…
アカネ「…ぁ……」
アカネ「や…止めてッ!!嫌ッ!!もう痛いのは嫌なのッ!」
彼女の表情は明らかに怖がっている様子だ。先ほどまでと比べるとまるで別人だ。
アカネ「…に…逃げなきゃ…ッ…ああッ!」
皇 「落ち着いて、ここには何もないから…!」
アカネ「止めて…ッ!来ないでぇッ!」
KP そういうと彼女は走って逃げていく
皇 精神分析ふれますか?
KP 間に合いませんね。追いますか?
皇 追いかけます
KP それでは、あなたは彼女を追いかける。彼女が診療所を出ていくのが見える
だろう。貴方は、彼女を追いかけて街へと繰り出していった…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます