俺は君が好きで好きでたまらないので君のお兄ちゃんとして君を笑顔にしたいと思う

第1話

俺の人生の主人公は俺じゃない。

誰しもが自分の人生の主人公だなんて世間は言うけれど、そんなの人生が楽しいやつらのいうことだ。

俺の、たったひとつしかない俺の人生の主人公が俺なんかでたまるかよ。

じゃあ、お前の人生の主人公は誰なのかって？

そんなの決まってる、天宮いのりだ。

天宮いのりとは小学校から中学の途中まで同じ学校に通っていた。

中学一年の時同じクラスになり、少しの間仲が良かった日もしたんだが彼女は2年生になる前に誰にも言わず転校してしまった。

だから実際、高校１年の俺はあいつと約2年間顔を合わせていないことになる。

それでも、俺の人生の主人公はあいつだといいきることができる。

え、俺があいつに恋しちゃってたんじゃないかって？

いや、そうじゃない。

俺はあいつに恋はしてない。恋に似た感情だがそんなもんであいつに対する感情なんて表せない。表しきれてたまるか。

そうだな、いうなれば、そう。

俺は、あいつのお兄ちゃんになりたい。