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 ピンポンピンポンピンポン




 「って、ぇぇぇえっ!」




 「だれですかっ!?」

 がっくし! すっごい出鼻のくじかれかただわ!


 ピンポンピンポンピンポン


 「だれですかっ!」

 玄関にでて乱暴に叫ぶ。

 キッキンにつながるドアからやっぱり不安げな雪がこっちを覗いている。


 ピンポンピンポンピンポン


 「だれですかっ! てか、だれだよ!」

 痺れを切らして玄関を開けると、


 「あ、」


 「……、」

 向けた包丁のさき、門灯のぼんやりした灯りのなかに、いま、一番予想だにしない人物、


 「カレー、食いにきた」


 カイト少年が佇んでいた。

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