さよならはいつだって突然だ
おきた狂
僕と君の恋のお話
さよならはいつだって突然だ
君は当たり前のように笑うけど
僕はまだ覚悟もなにもなくて
ただ下を向いていた
花見も夏祭りも君と行ってさ
楽しいねって笑う
君がいなかったら行くことすら億劫
夕焼けも雪降る庭も君が言うのさ
綺麗だねって
眺める君をそうだねって見つめることが幸せ
君はどんな気持ちで僕の隣にいたのだろう
いつだって君について行ってばかりの僕を
呆れたのかな
つまらなかったかな
後悔ばかりが募る僕を知らないフリして踏切のベルが鳴る
出会いはいつも偶然だ
君は無邪気にはしゃぐけど
僕も君と同じだって嬉しくて
ただ幸せをもてあましてた
真夜中嗚咽が響く電話先
苦しいって
君になんて声をかけたら良かったのかな
あの日もあの時も君が言ったのさ
消えたいって
僕の言葉は泡のように浮かんで消える
君はどんな気持ちで僕と話したのだろう
いつだって君といるので精一杯だった僕を
楽しかったかな
面白かったかな
君が好きだよって言ってくれたことだけを頼りに電車に乗った
君は1人海の前にいた
急いで駆け寄って抱きしめる
君は違うよって
力なく笑った
細くなってしまった身体
潤んだ瞳
自分が情けなくて
どうしようもなくて
僕は君に言うんだ
生きてて欲しいって
そばにいることしかできないけど
生きてて欲しいって
君は言うんだ
もう少ししか生きられない
そばにいれるのはあと少し
さよならはいつだって突然だ
君は当たり前のように笑うけど
僕はまだ覚悟もなにもなくて
ただ下を向いていた
だけどさ僕は最後まで君のそばにいたい
お願いだ一緒にいさせて
これが最後のわがまま
電車の音が遠くから聞こえる
桜は散ってしまったけど
季節は流れるように進んでく
僕は1人夏の訪れを感じながら青空を見上げた
さよならはいつだって突然だ おきた狂 @Soms-05
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