ミントグリーンに染まり続けて
モナカ ハル
夜の大学
11月下旬、私は友人の制作スペースに転がり込んでいた。
代表という名ばかりの大役を担い、友人と有志展覧会の運営を進めていた。
仕事は、面倒だった。しかし、誰かがやらなくてはならない。
それが、私になった、ただそれだけの事。
毎晩、仕事をした。というのは少し盛っていたのが事実。
ほとんど喋り倒してたのだ。
夕方、友人と会い、夜通しお喋りが始まる。
油絵を描く友人の話をよく聞いたものだ。
半分くらいは筒抜けだったかもしれないが、。
私は人の話を聞くのがどうやら苦手で、
すぐうわの空だ。
ある日、1つ年上の金髪の青年は私たちの元へやって来た。卒業論文が進まない彼は、私たちの喋り声に誘われたみたいだ。
その日も夜通しお喋りをした。
異性がいることへの緊張と、期待を感じながら。
早朝、3人でコンビニへ行った。
3人で大学に戻り、朝食を食べ、各々帰ったのか、そこで眠ったのかはもう忘れた。
彼は気弱な人だ。1つ年下の私たちが怖かったらしい。
別に何もしてない、雰囲気的なものだろう。
彼はいつも謙虚だ。学年問わずに。
彼は一線を引いていた。特に年下には。
何を考えているのか、わからないらしい。
本心が見えないからだとか。
彼は、基本無口だ。
あの日はよく口を開いていた。気がする。
夜という時間は、皆を開放的にさせるのだろうか。
彼も私もすこしだけ距離が縮まったのだ。
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