俺と淳子のセクシャルな日々

@katosusumu

第1話 USBメモリ

「何よ、これ」

俺が差し出したのは、一本の小さな黒いUSBメモリスティックだ。といっても機械音痴の淳子に分かるはずもない。俺は、得意になって、「パソコンの外部メモリだよ。音楽でもビデオでも記憶してくれる。これ、どこで拾ったと思う?お、おい、ちょっと待ってくれ」

いきなり布団に潜った淳子がフェラチオを始めた。俺の下半身に快感が走る。俺のぺニスが敏感に反応してたちまち勃起する。それこそ淳子の思う壷だ。さらに攻撃はエスカレートしていく。

「だから、最後まで俺の話を聞けって。これ、いつもお世話になってる駅前の中華料理の店で、お昼の定食喰ってたら偶然、俺のそばに落ちててさ、そのまま知らん顔して帰るのも何だし、持って帰って来た。何が撮ってあるんだろう」

淳子の濡れた唇の柔らかい感触が、俺のぺニスを包んで暖かい。ゆっくりとグラインドしていく。堪らない。射精の感覚が襲う。

「パソコンに接続してみたら。あたしも興味ある」

淳子が布団から顔を出して言った。調子がいいやつだ。


ノートパソコンの調子が悪い。どうも電源がうまく入らない。俺が何だかだと機械をいじっていると、隣のベッドルームから淳子が側にあったネグリジェを着込んで姿をみせた。そんなコスチュームもじつに魅力的でエロティックな印象だ。下着から乳房が透けてまる見えだ。陰毛の黒々した茂みまでくっきりと透けてる。

「でさ、結局、何にも記録されてないっていうオチの可能性、高いわよ」

「まあ、待てよ。・・・・・・・・・よし、これでいい」

電源が入った。

しばらく画面は黒いままだ。

スイッチが入った。突然、画面がどこかの診察室の内部を撮っていることが判別できた。時々、画面にノイズが混じって見にくい。

「何だ、これ。どこの医院かな。何の記録だろう」

「診察台のうえでオナニーって興奮する、たまんない」

「もう、いいよ。ありゃ、何なんだ、これ」

恐ろしい光景が写っていた。

画面中央。

診察台のうえ。

手足を台に拘束されて身動きできない女性が写っている。

全裸だ。オッパイもオマンコの黒い茂みもまる見えだ。

両腕を広げて、両足も大きく両側に拘束器具で広げられて、中央の女性生殖器が黒々と露出して、パックリと膣口まで分かる。

「何よ、これ、ポルノビデオ?監禁、調教ってやつ?スケベェね」

さらに戦慄のフィルムは続く。

突如、画面に白衣の男が姿を見せると、診察台に近づいた。手に鋭利なメスを持っている。嫌な予感がする。

「これ、ヤバいよ。こんなの犯罪もいいとこだぜ、絶対、ヤバい」

白衣の男は沈黙したまま、手にしたメスで診察台の女を「ひらいて」いく。下腹部は血で赤く染まっていく。

「・・・・・・・・・これって生体解剖だよな。生きたままって」

変な気がして隣を向くと、淳子が食い入るように画面を覗いて夢中にオナニーしている。まさぐるように淳子の指先は濡れぬれの生殖器の奥でうごめいている。

「こういうの、興奮する、スナッフフィルムとか言うんでしょ」

問題のフィルムはさらに続く。

白衣の男がメスで診察台の女を切り裂いていく。やがて女の下腹部の傷口がひらいたかと思うと、突然、沈黙していた女が何かを叫んで暴れ出した。抵抗してしきりにもがいている。白衣の男は少し画面から姿を消したかと思うと、再び現れて、手に持った白い脱脂綿の塊を乱暴に女の口にあてがって力を込めた。もがいていた女が急に静かになった。女が暴れた拍子で画面の隅がぶつかったらしく、写る向きが動いた。診察台が画面の隅に移動して何もない診察室の白い壁が大きく写った。これじゃあよく分からない。何やら白衣の男が手に持って女にしかけているが、よく識別できない。

「ここまでか。残念。結局、このメモリ、なんなんだ」

「どこかの変態医師が、いたずらしてビデオ回した、って冗談ですまないわよね、これじゃ。この女、命は大丈夫かしら」

「さあ、どうだろ」

「ああ、あたし、何だか興奮してきた。このビデオのせいよね。ねえ、恭介、こっちで楽しみましょ、いいから」

「おいおいちょっと待ってくれよ、強引だな」

淳子はケロッとして、形のいい丸いお尻を俺に向けて馬乗りになってきた。俺の顔に、淳子の濡れた生殖器が大写しで接近する。どこかチーズの臭いがした。これは近い。

しかしである。

たとえば、今、どこかの誰かが安倍首相をあの世から生き返らせて見たところで、どこかの誰かが損も得もする訳でもないことはあなたも僕も知っている。世の中はそんなものだ。誰のものでもない。

 そんな訳で今日も俺と淳子のセクシャルな日々はただ何とはなく、気楽に過ぎていくのだ。




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