3.奴隷に朝這いされた日。(新婚生活8日目)
最愛の奴隷妻に首輪と紐を贈った翌日、「8日目」の朝。
俺は奴隷ちゃんから「夜這い」ならぬ「朝這い」を受けていた――
◇ ◇ ◇
何かを感じてわたしは目を覚ました――
その瞬間、鼻腔にあいつのいい匂いがふわっと香る。次いで、あいつの手足が優しく舐める様にわたしの身体へ絡みつく。その肌触りと温もりに、ぞくぞくっと痙攣が走る。んあぁ気持ちいぃ……。
ああ、どうやら寝惚けた「ご主人様」が寝返りしながら抱き締めてきたみたいだ。
ったく、寝ている人間の腕はけっこう重いんだぞ……。だからあれだな、こいつの腕に頬をすり寄せたり、ちょっと舌で舐めたりしても当然の労働対価だな、うん。
「あ~あぁ、また目が覚めちまったなぁ……」
どうにも「盗賊」だった頃に修得した『感知スキル』は感度が良すぎるなぁ……。こいつの寝返りひとつで毎回起きてちゃろくに寝れないぜ。(夜の営みも敏感過ぎてやばいしな……//)
ふと、夫婦のしとねに籠る匂いをこっそり嗅いで……こいつの匂いだけでなく、昨晩の残り香がたっぷりあるのに気づいて、顔がポッと火照るのを感じた。昨日すごかったからな……っ//
この「ご主人様」は変なやろうだ(そして変態やろうだ)。
元「盗賊」である「奴隷(わたし)」を対等に扱うだけでなく、最愛の「新妻」として愛情を注いでくれる。では純朴かと言えば、街の娼婦もびっくりする様な寝技を知っている。(誰に教わったんだよ…と最初は少しイヤな気持ちになったが、知ってるだけで実践経験が無いとわかると少しホッとした。べ、別に嫉妬じゃねーぞ。わたしだけ
あと、こいつの考案した「メイド服」もエッチだ。
「……あ、たれる」
あそこに指で触れるとぬるっと濡れる。
こいつの昨夜のあれ……じゃないよな。あれはちょっと時間が経つとカピカピに乾燥するし。と言うことは、このぬるぬるはわたしのか……っ//
うう、以前はこんなに濡れなかったよなぁ……//
こいつと同棲生活を始めてから体質が変わった気がするぜ……まあ昔のわたしは
「…むにゃ…奴隷ちゃんむぎゅうぅ…むにゃ…zzZ」
「あ、もうこいつ…寝惚けて抱き寄せるなって……うわ熱っ//」
ちょ、こいつ、あれがっ…手に触れて……わっ、あ…おぉ…凄ぇ…そ、そういや、しっかり見るのも触るのも…初めてだな。うわ凄ぇ…これ血管かよ…うぉ…どくんどくんと脈打ってる。すげ熱い…何か…心臓がふたつあるみたいだ……//
それに触れる指先から鼓動が伝わり、そのまま全身へ熱が伝播していく様に火照る。どうしてだろうな……凄ぇ感動してる自分がいる。生命の神秘とか、鼓動とか、そんなものに触れたような、感じたような、不思議な気持ちだ――
「こいつ寝てんのに……そっか、これが朝勃ちってやつか…マジで凄ぇ……//」
こいつのものを優しく指先でなぞっていく。
わたしが想像していたのと全然違う。色は濃ゆく、ごつごつと逞しく、じんわり熱い。
ふたりの寝床に籠る色香が濃ゆくなり、鼻息が荒くなるのを抑えられない。わたしを抱き締める腕が少し緩み、あいつの胸元が晒された瞬間――あいつのものに自分の下腹部を摺り寄せながら、わたしは抱きついた。
「わ…熱っ…//、先っちょ、へその下……いつもこんな奥までくるのか……//」
ここまで
理由は分からない。ただ実感として、そう思うのだ。
わたしは、その、あれだ……ご主人様が好きだからな……。
「おいこら、起きろっ、ご主人様っ」
「…むにゃ…んぅ…わっ、朝から可愛いけど…どうしたの奴隷ちゃん?」
あいつが寝惚け顔で抱き締めてくるのを引っぺがすと、わたしの臀部で
「ご主人様のせいで…こんなになっちまったぞ…責任取れよなっ//」
◇ ◇ ◇
最愛の奴隷妻に首輪と紐を贈った翌日、「8日目」のそろそろ昼前――
俺は奴隷ちゃんから「夜這い」ならぬ「朝這い」を受け終わった。
今朝の奴隷ちゃんは積極的で、愛らしくも艶めかしく、いいようにされてしまった……。
俺は奴隷ちゃんの事をたっぷり知ったつもりだったが、実は全然そんな事は無く……逆に俺の事をたっぷりと奴隷ちゃんに知られてしまった様だ。
ああ、心地良い。
ここまで愛され、知り尽くされる俺はきっととても幸せ者だ。
しかし、何かあったんだろうか……。
俺の胸元で、すよすよと寝息をたてる奴隷ちゃんを眺めながら、俺は優しく抱き締めなおした――
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