第6話
ディーナを捜索して1年、宮殿からの朝帰り、別邸に戻ったとき、ローランの部下たちが談笑していた。いつにもまして機嫌がいい彼らに疑問を思った。わたくしは彼らに見つらかないよう耳を傾けた。
彼らが話していた内容はこうだった。
奴隷は日中夜問わず、1か月に一回、口でするなり、手でするなり、ヤルなり、ローランにご奉仕すれば処分が免除される。
奴隷が処分されるとどうなるのか。ローランの部下たちに、濃厚なたんぱく質を身体中にべったりつけられる毎日をおくることになるらしい。
思い出すだけでも身震いがする。死刑執行までの1か月間、牢屋の中で兵士たちに代わる代わる犯される毎日は本当に地獄だった。それが死ぬまで続くとなると考えるだけでも恐ろしい。処分された奴隷は、たいがいは壊れて使い物にならなくなるので、エリスの得意技(魔物の餌)が発動してしまう。
今日、一人の奴隷が彼らの慰みものになるらしい。
おそらく、ディーナはもう……
彼らのニヤけた笑顔を見ているだけで殺したくなる。
殺してやりたい、でも、今はできない。
目的のものがまだ、手に入っていないから……
復讐に憑りつかれ、すでに涙は枯れきっていると思っていたのに……わたくしから一粒の涙が零れ落ちた。
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