第4話

 -side 悪役令嬢アリシアちゃん LV200 5歳

 

 右手の甲には200の数字が刻まれていた。復讐を誓った、あの日から、私達は200回死んだ。


 すでに2000年ほど、数えるのも億劫になるほどの年月を繰り返してきたのだ。


 すべては復讐のために……


 脂肪がのったロリコンハゲデブ親父、ローランにあんなことやこんなことなど、やりたい放題されたり、もう、たいへんだった。二度と御免だけどね。


 ローランが奴隷市場で見かけた5歳の私に欲情したことが切っ掛けで、私はこの国に奴隷として連れ去られたのだ。


 でもね、私、これで、本当の意味で、悪役令嬢になったのよ。そう、いまの私達なら、すべてをヤれるわ。ねぇ、ベアードさん。あなたもそうおもうでしょ?


★★★


 -side 悪役隷女? アリシアちゃん  LV150



 私は、イザーク王国の大富豪ローランに呼び出されて、夜伽を命じられた……


 もう何回目か分からないぐらい彼との夜を共にした。エリスのご忠告通り、年端もいかない少女を演じて、ローランに可愛くおねだりしていた。


「どうだ、きもちいいだろう?」


 私は、ローランの上に跨されていた。お馬さんごっこをしながら、お相手させていただいたわ。上から乗られてしまったら、きっと圧死するからね。彼は欲望のままに私を襲った。


「あいかわらず、美しいなぁ。綺麗な肌をしている。ぐふふ」


 私を無我夢中に、


「ほんと、かわゆいのう。どうじゃ、わしのテクは?」


「す、すごく、よかったです、だんなさまぁ」


 や、やっと、終わった、これで解放されると、天使の笑顔で、嬉しそうに微笑む私の姿を見て、ローランは、ごくりと唾をのみ、また、私に襲いかかってきた。ま、まだ、するの、もう勘弁してよ。あああ、このロリコン野郎を、なんとか、しないと、ほんとに身体がもたないわ。


 可愛らしく振舞った成果もあって、たいがいの物を夜伽の褒美として貰えるようになった。もちろん、ねだる物は貴金属ではなく、魔導書などの魔法に関するもの。


 奴隷という身分、それに年齢が上がるにつれて、美しさに磨きがかかってしまうアリシアさんだけに、ハーレムからの妬みや嫌がらせが酷くなってきた。


 奴隷が相手をしてもらえるのは若いうちだけよと、罵倒されたりするけれど、実力行使による洗礼はまだ受けてはいない。でもミミズ箱の洗礼だけは受けている。


 私が欲しかったものが、ここにある。魔法と、なによりも欲しかったもの、召喚魔法。


 この国は魔法技術が栄えている国だから。


 中でも召喚魔法と悪魔召喚がね。


 彼には、まだ利用価値がある。


 だから、私の命が潰える15歳まで優しくお相手してさしあげるわ。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る