第二十一話 床下
長く険しく、そして辛くもありもどかしくもあった転居計画の終わりが見えた。
「果てないと」どこかで誰かの声がエコーしたりもした。
しかし果てがあった、あったのだ。
クリスマス前夜に転居するなど、なんとロマンティックなことか。
年末ギリにこんな大荷物……。引っ越し屋さんホント迷惑な客でスミマセン。
そして、予てより告知していたビリヤード台についても本格導入する運びとなりました。どうですか、本気だと思ってましたか?
台導入に差し当たって、リビングの床を補強することに。
重さ350kgの家具(?)ですからね、ピアノ施工みたいなジャッキアップをします。
工事は最悪床を剥がすかも、ということでしたが築浅物件だったため、床下収納を外してそこからベタ基礎にアクセスできるようです。良かった。
「ビリヤード台とか言ってるけど、実際やってたの?」
何かを始めるのに理由なんかいらんのです。
強いて言うなら……
錦糸町に住んでいた頃、当時の超ハラス上司(ハラス神)に毎週末夜明けまで飲まされてて、よく通ってた中東系のオーナーがやってるBARで球を撞いてました。
もちろんハラス神ですから、普通にゲームするわけじゃないですよ。
その時々で居合わせた他の客と9ボールで勝負して、負けるたびにテキーラでした。
そんな思い入れのあるビリヤードです。
ルールも9ボールしか知らないけど、これから覚えればいいし。
懐かしいなぁ、もう10年以上経つのか。
さ、て。
思い出に浸るのはこれまで。
未来に話を戻しましょう。
このあと少し間が空きますが、月末に役所で転居届を済ませてから、12月中旬に銀行でのファイナル手続きを行い、床下補強工事からの引っ越しです。完!
待ちきれませんね。
ホント、待ちきれませんよね。
つづく
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