空色サイダー

Nakaya

その味は?

もう、真冬だというのに広々とした青空を見たらサイダーが飲みたくなった。

家に帰るため寂しい耳を癒すイヤホンとスマホを繋げ、サイダーを買うために財布の中身を確認する。1000円と10円が5枚そして、50円。金額的には買えるが、小銭で買うには何十円か足りない。1000円なら買えるが、お釣りを取る時間が何とも言えない。その時間が勿体ないとか、取り忘れがやだとかではないがたまにそんな気分になるそんな自分は変なのだろうか。とりあえず、自動販売機がある場所へ向かうため歩きだした。その間にも脳みそは考えることをやめない。サイダーを買うか買わないかとかテスト期間なのか早い時間に歩いていた女子高生たちがうるさいだとか…そうこう考えていると目の前に赤い自動販売機が見えてきた。それでも、買うか買わないか決まっていない。

少し。もう少し。そして、目の前まで来た。

しかし、目の前を通過してしまった。

何となく買えなかった。自分でもよく分からない。だけど、それでもいいと思えた。多分、夕方にはストレートティーが飲みたくなっているそう思ったから。単純な理由のせいで刺激の足りない青空を見つめ帰路を進む。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

空色サイダー Nakaya @nakaya_soda1005

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る