毒白

Nakaya

笑えない日々から逃れるように


最悪な今日から遠ざかるように


永遠を彷徨いたくて目を閉じた。


そして、目を開ければ怖い嫌な眩しい朝。


乾いた空気と寒さが頬を撫でる。


目の前の見慣れた白い天井を見つめる。


でも、また目を閉じる。


心の中でゆっくり10からカウントする。


そして再び目を開け、


ベットから起き上がる。


時計を見れば針はⅦとⅧの間。


目が覚める瞬間は、


異世界に飛ぶようで、


毎日が異世界転生。


八畳くらいの部屋の外は変わり続ける。


でも、主人公は何も変われない模様で。


取り残される悲しみと一対一。


実際、自分の人生は凡庸以下だと考える。


人間らしく出来ていないと思う。


だから、以下だと考えるんだろう。


でも、そんな人生でも、苦ではない。


いつか、誰かの“作品”になったら。


そんなことを考えながら、


出来たばかりのココアを飲む。


いつもより味は薄いが悪くないと思える。


そして、珍しくあまり汚れていない、


カップを流し場に放り出すように置いた。


まぁ今はこのままで良いかな、と思った。


人生も、流し場に置いたカップも。

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毒白 Nakaya @nakaya_soda1005

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