とくん
Nakaya
心音
心臓の音が聞こえる。
生きてる音が聞こえる。 聴診器から耳へ・・・
とくん、とくん、
現実の世界から自分の世界に。
僕の人生は、何をやってもだめだ。 だけど、今日は何よりもだめなことをした。 はじめて、 人を殺した。
医療ミスだったけど、 人殺しと変わらない。 医院長は 『今回のミスは、誰の責任でもない。』 と言 っていたがあの患者さんと最後に関わったのは僕だ。 担当医の僕が薬を投与した。 でも、 患者さんの容態が 急変した。 最新の診断結果からいつもの薬で大丈夫だ と判定したのも僕。
とくん、とくん、 高鳴るうるさい心臓の音。
もう、 止まってよ...
そして、自分の世界から現実の世界に。
気付けば、カーテンの隙間から朝日が差し込んでい た。 さっきまで深夜だったのに...なんだか、 自分の世界にいると壊れてしまいそうだ。 しばらくは、休みを貰っているから現実に向き合って きちんとした生活を送ろう。そっと、聴診器を外してカーテン を開けた。
「おはよう」
とくん Nakaya @nakaya_soda1005
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
自分消失/Nakaya
★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
それは/Nakaya
★2 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
空色サイダー/Nakaya
★8 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます