第28話 故郷は地球
ユウちゃんはイケメンに弱かった。もとい。チョロかった。
イケメンキャラである「勇忍ユウキ」の影から作られた「影執事」は、男装の麗人系の超絶美形なキラキラのアレだった。俺のアイディアでユウちゃんの事を「姫」と呼ぶように指示したら、効果は抜群だった。イヤがっていたプリギャラ姿に変身して、便利魔法を駆使して全員の「制服」を揃えたり、チートなブーストアイテムを生成したり、嬉々として働いている。んで、男装麗人執事が「さすがです姫」とかいってヨイショするわけだ、チョロい。自分自身の影で作られた執事に自分を褒めさせて喜んでるんだから、ある意味変態の一種だろう。
変態と言えば、ケンちゃんは
とりあえず、黒子忍者や影執事・影メイドたちから選抜したメンバーに魔忍ケンジの「秘宝」を与えてクラスチェンジするテストをしてもらうようにメイちゃんに指示しておいたので、戦力増強は固いと思う。「魔忍」「勇忍」「闇忍」の秘宝は使用済みだから、残りをどう配分するか、もうメイちゃん(と支配下のケンちゃん)に丸投げである。
おおよその指示を終えた俺は、プリンセスキャッスルの庭園に設営された「忍者茶室」で休息する。
レ「ヤマサーン!ヤッホー!飲もう!」
ヒューマノイド・レディーである。こいつはロボなのに飲酒機能があるのだ。意味わからん。
レ「カンパーイ!」
俺は日本酒カクテルを呷る。俺、無職なのになんで地球防衛チームのリーダーみたいな事してるんだろう。…そっか、俺はヤマサン。銀河刑事ギルドの地球支部長だもんな俺。無職じゃなかったよ。
「レディー、俺は、銀河刑事ギルド本部の意向はどうとも思っていない。」
レディーは微笑んでいる。
モグラ星人の母星と地球を「オトリ」にして宇宙海賊を斃す。その作戦の是非は俺にはわからない。ただ。
「レディー、俺は地球を守る。俺に命を預けてくれ。」
幼馴染たちにも言ったセリフを繰り返す。地球は俺たちの故郷だ。
レ「オッケー!ヤマサン!」
彼女はいつも通りだ。
20年間、この作戦のために孤独に待機し続けてきたアンドロイドの「気持ち」なんて、俺にはわからない。ギルド本部所属の彼女にとって、地球は故郷なのか?
俺は、淡々と作戦を指示する。
「亜空間で待機しているサテライト級母艦のペタデカー
奇襲のカミカゼアタックである。
「ペタデカー
戦いの準備は整った。
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