第18話 忍勇~NIN-YUU~

銀ピカのギャラクティカスーツを装着した俺が爆風で漫画みたいに吹き飛ぶのを見て、ユウちゃんが爆笑している。ユウちゃん生きとったんかワレ!

再起不能リタイアから無事したようでなによりです。

つか、指差して笑うのやめて。地味に傷つくから。


さて、俺もユウちゃんもノルマ完了したぞ。ケンちゃんの番だ!さあさあ、どんなドン引き変身をするのかな?ん?ん?


ケンちゃん…は確か『忍勇にんゆう』の悪役、「魔忍まにんのケンジ」が好きだったんだよね。

ニヒルなライバル。「名前が似てるから」とか言ってたが、普通主人公だろ。ひねくれたガキだよな昔のケンちゃん。たぶん今でもひねくれてるんだろう。

…どうやって変身するんだ?アレ。登場するニンジャは全員、普段着が忍装束しのびしょうぞくだったし。変身アイテムとか無いだろアレ。


「…すでに。」

ケンちゃんが静かにつぶやくと、幻のようにその姿を変え、どっからどーみても立派なSHINOBIシノビにメタモルフォーゼ。

ohオーNINJAニンジャAIEEEアイエエエ!ニンジャコワイ!


あーでも、「人前に出られない羞恥しゅうちプレイコスチューム」とか、「30秒もかけて吹き飛ぶだけの銀ピカスーツ」より、ずっといいな。最高じゃね?デメリットが見当たらない。もう忍者村に就職しちゃえよ。ロボは?勝手に動いて言うこと聞かない危険な暴走忍者ロボはいないの?…いないんだなこれが。最高じゃね?

「ロボが無い」だけでもう最高としか。

あー俺バカだなクソデカロボとか日常生活で何の役に立つんだよ。

NINJAの忍術とか普通の生活に超絶便利じゃん。

それに比べて、巨大ロボとか銀ピカスーツとか、生活に役に立たないこと極まりない。チックショー!くやしいです!


あーもういい!お前には失望した!オチがねえじゃねえかクソがあぁぁ!

なんか微妙にかっこいいのがまた腹立つ!お前にはアレだ、ロボをくれてやる!役立たずのロボット乗りなどパーティーから追放だ!ざまあ!

みにく嫉妬心しっとしん燃え上がる俺を見て面頬メンポの裏でニヒルに笑うケンちゃん…いや、魔忍ケンジ!俺に手を差し伸べて、怪しく語り掛ける。


ケ「お前もNINJAニンジャにならないか?」

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