第16話 銀河の姫君、プリンセス=ギャラクシー!
20年前。怪しい宇宙人を助けた俺たち
そんな記憶もすっかり薄れた20年後の今、「お礼」が突然贈られてきた。
ここは空中に静止した巨大ロボの居住スペース。
幼馴染たちを回収した俺は、くそデカロボに戻り、ロボ内の会議室で情報交換中だ。
「デカ過ぎだろ…設定考えたヤツ頭おかしい…」
巨大ロボ構内移動中から、ケンちゃんはキョロキョロしながら何度もこんな言葉を繰り返した。わかる。
「なんでこんなの呼び出したの…存在しちゃダメなやつじゃんこれ…」
ユウちゃん
ふたりとも、幼いころから顔があまり変わってないから違和感なく昔のままの気分で話ができる。わりと童顔だよね。
さあさあ、情報交換しましょ。
「私は…あの声が聞こえて、気づいたらコレが腕に…」
ユウちゃんの左手には、ピンクのブレスレット。
銀河の姫君、プリンセス=ギャラクシーの変身アイテムだ。
「どうやっても取れない…」
マジで?
俺も左手のヤマサンブレスを外そうとしてみたが、コレ外れないんだな。いま気づいた。巨大ロボのインパクトが強すぎて、ブレスレットの存在忘れてたよ。
これ外れないと社会人生活が困難になるよな。俺は無職だから大丈夫だけど。
で、使ってみたの?
軽い気持ちで聞いたら、「ウソだろ」みたいな顔をされた。
いや、ソレ絶対ホントに変身できるやつだから。
ちょっとソコでやってみ?
大丈夫、ココならだれもいないから。
確か魔法でブレスレットを見えなくするコトができるはず。
番組内で、通学時に「プリギャラブレス」をそうやって隠していた描写があった。
校則違反になるからな。番組を一緒に見てたから記憶にあるぞ。
他人に見られたらオシマイだし、空中のココなら安全に試せるから。
俺たちに説得され、ユウちゃんは意を決して変身ブレスのボタンを押す。
パララララ…と、思ったよりファンタジックな変身メロディーが流れて、変身シークエンスが開始する。
光源不明の謎光線が激しく明滅し、無意味にクルクル回転。キレッキレのダンスをキメながら(本人の顔は引きつっており、おそらく体が勝手に動いている模様)、ひらひらピンクの衣装にチェンジ、変身完了のキメセリフを(自動的に)叫んで試合終了である。
20代半ばも過ぎた、もう完全に大人の女性が着ていい服ではない。
ヤバい。悪い意味でヤバい。どこがヤバいかは言わないが、とにかくヤバい。
「うわあ…」という顔の俺らの視線を受けたユウちゃんは、膝から崩れ落ちた。
ユウちゃん
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