第4話   出立の時

そして、翌日。

俺は彼女に聞く。


 「本当に付いてくるんだな?後悔しないか?」

 「…ええ。家族も死に、私は孤独の身です。さらにあなたは私を助けてくれた。未練はないわ。迷惑をかけるかもしれませんが、付いていかせてください。」

 「…そうか。」


昨日あの後、俺は彼女に連れてってくれと頼まれ、断ることも出来ず、一緒に旅することとなった。


 「じゃあ、準備はできたか?出発するぞ。」

 「ええ。」


俺は剣と金、食糧を取る。


 「よし、行くか。」

 「ちょっと、あなた剣士だったの?」

 「ああ。」

 「…。」


何か呆れたような顔をしているが…。どういうことだ?


よく分からなかったが、とりあえず東に向かって進む。


 「ねぇ、どうして東の方に行くの?」

 「…西から魔物が来てるから。」

 「…あなたなら関係ないんじゃ…。」

 「えっ?なんだって?」


彼女はボソッと何かを呟いたようだが、聞こえなかった。


 「東の方に数日歩けば、街がある。大きい都市だから情報も集まるだろ。」

 「…。」


まぁ、そうして歩き1日目の夜、火を焚きながら話す。


 「で、どうする?」

 「何を?」

 「見張りだ。俺が今夜ずっとやっててもいいが。」

 「…それは申し訳ないよ。昨日もやっててくれたし…。」

 「…。」


昨日、俺の家に彼女を連れて行った後、俺の部屋で彼女を寝かせたので俺は寝れず、玄関で寝ていた。それを、彼女は見張りだと勘違いしたのだろう。

近くに魔物が来たら、俺はすぐに分かるし、昔からだから慣れていた。

俺はそう彼女を説得すると一緒に起きているというので仕方なく一緒に見張りをしていた。


しかし、丑三つ時になる頃には彼女は俺の肩でもう寝てしまっていた。


 「…結局寝るのか。」


今更だが、夜に男と女、それも恋人でもなんでもない男女が一緒にいるのはまずいのではないだろうか。

考え始めると、何故かよく分からない感情を抱き、俺は彼女を毛布に包ませて木に寄りかからせて距離を取った。


そして、俺は木の上で眠りについた。

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