その日は幸福な一日
仲仁へび(旧:離久)
第1話
学校の帰り道、にこにこしてたら隣を歩いていた友達が聞いてきた。
「なにかいい事あったの?」
そうそう、そうなの、聞いて聞いて。
今日は幸福な一日だったの。
なんていったって、普通。
不幸な事が一つもおこらなかった。
普通の時間に家を出て、普通にバスに乗って、普通に学校に到着。
普通に授業に出て、普通にお昼ご飯を食べて、普通に下校。
トラブルっぽい事は起きなかったし、誰かからイジワルされる事もなかったし、ドジもしなかった、予想外も出来事もなし。
それは、ザ・普通。
なんて普通ってすばらしいんだろう。
「いや、それで満足する人間の方が希少だけどね」
そんな事ない。
普通がどれだけすばらしいものなのか、みんな分かってないのよ。
変に刺激を求めちゃだめだよね。
もっと堅実な所から手を伸ばさないと。
みんなは、刺激的な毎日がいいって思うかもしれないけれど。
当たり前の事が当たり前にできる幸せって、馬鹿にできないものだよ。
「人生何十年生きてるのって言葉だね」
失礼な。私はまだ華の十代です。
「はいはい」
はぁ、今日はほんと何もなくてよかったよ。
だって、私ドジ体質だから。
普通に過ごしてるだけで不幸な事が起きちゃうし。
その日は幸福な一日 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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