第5話 ステータスを弄ってみた
ゲームオタクな妹が貸してくれるRPGは、主人公達の装備や軍備のための金策巡りが必要だった。
交易で荒稼ぎしても軍資金が足りずに泣いた記憶がある。
町に入ってから情報収集が必要になると思うが、調味料ならどこでも売れるだろう。
調味料がダメなら、別の方法を考えるまでだ。
硝子瓶に調味料を詰め替えしていると、
「ご飯できたよー」
「ちょっと待って。今行く」
作業を一旦中止してリビングに行くと、私の大嫌いな椎茸とグリンピースづくしの料理が並んでいた。
「愚妹よ、嫌がらせか? 姉ちゃん、白米しか食べられないじゃん!!」
食べられない事はないのだが、昔からこの二つは苦手で自炊するようになってからは、食事当番時は絶対に出さない食材である。
「心配かけた罰だよ。お残しは許しません」
持っていたお玉を私に向けて宣言する
もそもそと夕飯を咀嚼する私に、
「
「ちょっと待って。ステータスオープン」
「スキルが0って何? これだと使えないものを持っているのと同じだと思うだけど」
「う~ん……私もそう思う。土台はあるから、地道に訓練するとか? 出刃包丁振り回しただけで剣術1を獲得出来た事を鑑みるに、スキルの取得方法はPTの消費か、地道な訓練で習得する二種類があると思うんだ。でも、取得しても0だと使えないし八方ふさがりだよ」
両手を挙げて大げさにガッカリしたポーズを取る私に、
「PTでスキルが取得できるなら、熟練度もPTで上げることが出来るんじゃない? ちょっとやってみてよ」
確かに、その線は考えてもみなかった。
隠密をタップしてみると、熟練度というのが表示された。
熟練度は0/100と表示されている。
100PTを熟練度にドロップすると、隠密1になった。
「やっぱり思った通りだ。PTを使用することでスキル取得やスキル熟練度を上げることが出来るのよ」
パチンと指を鳴らしドヤ顔をする
自称神が模範して作った世界だけあって、こういう
最初から
服をダメにして
そう思うと、
「隠密・隠ぺい・索敵はMAXまで上げて、それ以外は取り敢えずレベル1で良いと思う」
「その心は?」
「加護持ちだと分かれば利用されかねないでしょう。ステータスを偽装はお約束! それに索敵は敵を見つけたり、避けるのに役立つし。隠密は敵に見つからず後ろから急所をグサッと出来る。一撃必殺ってやつだね」
やっぱり聞いていて何気に怖いわ、この子。
「分かった。取り敢えず、ご飯食べ終えたらステータス弄るから見てよ」
「オケ」
TVのニュースをBGMにしながらマズ飯を平らげるのに集中した。
食事が終わり、いよいよステータスを弄る時間がきた。
MAXは∞のようだ。MAXまであげるには、PTが足りない事が判明した。
そこで急遽、上げられるところまでとなった。
現在の私のステータスは以下の通りだ。
---------STATUS---------
名前:ヒロコ(
種族:人族/異世界人
レベル:30
職業:
年齢:25歳
体力:73/125
魔力:200/200
筋力:85
防御:63
知能:108
速度:60
運 :600
■装備:バスタオル
■スキル:縁結び・
■ギフト:全言語能力最適化・アイテムボックス・鑑定・経験値倍化・成長促進
■称号:なし
■加護:須佐之男命・櫛稲田姫命
■ボーナスポイント:70pt
-------------------------------
MAXが∞だから、レベル7では先行きが不安だ。
しかし、
これは、ソロプレイしろっていう啓示なのか!!
ぼっちは慣れているから良いもんね。
「ポイントも減ったけど、これならそう簡単には死なないと良いな……」
明日は町だ! 早く寝るぞ。
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