昼下がりのプール

靑煕

Refrain

第1話 『  』

「空…蒼い」

水底から眺める夏空は一層靑碧しく

鬱屈とした気分で私はプールに揺蕩っていた

水は冷たさだけを残して感覚はない

身体中に纏わりついている筈なのに…


コポコポと空気の泡が登っていく

弧を描くように渦巻いてクルクル…くるくると

ぽっかり浮かんだ靑の闇に私は1人漂う

透明なこの世界には嘘がつけない


「このままプールに溶けられたなら…」

透明な水になる

いや…いっそ白い魚に

一瞬また一瞬…

考えは浮かんで消え

想像を巡らせては

コポコポと細く息を吐く

ふっ…と目の前がかげった


途端、水飛沫みずしぶきが跳ねる

盛大な波音を立て

私の隣へ巨大な魚が飛び込んできた

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